7月3日から5日が有力か…見えてきたJリーグ再開日程…29日に方針決定
そのなかで再開への第一歩となる「サッカーのトレーニング」では【1】個人(在宅)【2】個人(練習場)【3】グループ(身体接触なし)【4】緊急事態宣言の解除などを受けてのチーム(身体接触あり)とプロトコルが定められている。サガンが【3】と【4】の間で、他に練習を再開させた6クラブが【3】、緊急事態宣言下にある11クラブのうちコンサドーレとガンバが【2】の状況にある。 残る9つのクラブは【1】の状況が長く続いている。オンラインで全員を繋いでのフィジカルトレーニングが週に数回行われているものの、約1カ月半におよぶ自宅待機の日々でコンディションは著しく低下。例えばレッズのDF槙野智章は、こんな言葉を残しているほどだ。 「キャンプでせっかく作りあげた身体が、ゼロになってもおかしくないぐらい落ちてしまっている」 先週末に再開されたドイツのブンデスリーガでは、現地時間16日に行われた1部の6試合で8人もの故障者が出ている。再開が正式発表されたのが今月7日。各クラブともそれ以前から段階を踏んで練習を再開させていたが、正式発表と再開の間隔があまりにも短かった感は否めない。正確な比較はできないものの、運動強度が一気に上がったことと決して無関係ではないだろう。 だからこそ、首都圏の7クラブや関西のセレッソ、ヴィッセルの選手たちが【2】から段階を踏んで身体を作り直し、実際にリーグ戦に臨める状態になるまで、方針発表から最低でも1カ月は必要になってくる。協議する対象のひとつに村井チェアマンが日本プロサッカー選手会(JPFA)をあげているのも、準備時間に関して、実際に選手たちの総意とすり合わせる必要があるからに他ならない。
各クラブの契約担当者との協議を必要としているのも、もちろん明確な理由がある。大半の選手が来年1月末に契約満了を迎えるなかで、リーグ戦の最終節を現状の12月第1週からどこまで後ろ倒しにできるのかをすり合わせた上で、今後のスケジュールを再編していくからだ。 「再開へ向けた練習のプロトコルや試合の運営方法など、さまざまな情報をいただきました。印象的だったのは、リザーブの長谷部選手が一般観客席で5メートルぐらい離れてポツンと座り、マスク姿で観戦している姿でした。今日も理事会でペットボトルはどれぐらい用意したらいいのか、例えばマラソンの給水所のように個人ごとにフラッグでも立てるべきなのかと議論が百出しています」 ブンデスリーガの再開初戦をテレビ映像やニュースなどで見た村井チェアマンは、ドイツや韓国で徹底されている、新型コロナウイルスへの感染を調べるPCR検査にもこう言及している。 「検査の供給体制が国民へ十分に整う前に、私たちだけが独占することはできません。同時に選手たちの行動管理や健康状態の管理をこれまで通り徹底していくことが、何よりも彼らが健康であることを証明する証左になるという助言もいただいているので、検査との組み合わせのなかで対応していきたい」 無観客ながらサッカーがある日常を取り戻しつつあるドイツや韓国に刺激を受け、同時にサッカー界において新型コロナウイルス感染を拡大させない決意をより強く抱きながら、まずは21日に行われる政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で示される今後への見解を注視していく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)