誰もが知る名作椅子が一堂に会する「倉俣史朗のデザイン展」開催中
注目の展覧会を厳選してお届けする本企画。今回は『倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙』の見どころを紹介する 【写真】今月見るべきアート展3選
『倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙』
倉俣史朗は戦後デザイン界のスーパースターである。アクリルのなかにバラの造花を閉じ込めた《ミス・ブランチ》や、生き物のようにグニャグニャした「変形の家具」シリーズなどで世界的に知られ、2021年、香港の現代美術館〈M+〉が、倉俣が設計した新橋の寿司屋〈きよ友〉の内装をまるごと買い取り、コレクションしたことでも話題になった。 本展は、約30年前に没した彼の創作人生をあらためて総覧するもの。先述の《ミス・ブランチ》や「変形の家具」シリーズ、光と空間の関係への関心がひらいた《光の椅子》、倉俣が好んだ素材のひとつエキスパンドメタルを用いた初めての椅子である《シング・シング・シング》と数々の名作が一堂に会する。 面白いのは、これまで未公開だったスケッチや夢日記。特に夢日記の内容には、彼がつくり上げた作品との関連性も見られ、倉俣の豊かな創造性のひとつの発露が発見できる。
『倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙』
@世田谷美術館 2024年1月28日(日)まで BY MASANOBU MATSUMOTO, EDITED BY T JAPAN