東海大が強い?青学大は……大混戦となった全日本大学駅伝から見えた箱根駅伝の行方とは?
全日本大学駅伝が3日、名古屋・熱田神宮―三重・伊勢神宮の8区間、106.8キロコースで行われ東海大が青学大とのアンカー勝負を制して16年ぶり2度目の優勝を飾った。1区で城西大、2区で東京国際大、3区で東洋大、5区で東海大、7区で青学大がトップに立つなど、首位が何度も入れ替わるレースは「戦国駅伝」と呼べるほどの大混戦だった。しかし、正月の箱根駅伝を考えると、東海大の「1強」といえる状況だ。 両角速駅伝監督が就任して初の伊勢路制覇となるが、今回は「ゴールデン世代」と呼ばれる4年生のエース級4人(鬼塚翔太、關颯人、館澤亨次、阪口竜平)を起用していない。故障明けの關と館澤は箱根に向けて調整中で、出雲で調子の良くなかった鬼塚と阪口はメンバーから外している。 彼らのかわりに活躍したのが、塩澤稀夕、西田壮志、名取燎太の3年生トリオだ。3区塩澤は順位を3つ上げて、4区西田は区間賞。アンカー名取は19.7キロを57分46秒の日本人トップで走破して、青学大をドカンと引き離した。 「出雲から短期間でしたけど、選手層の厚さもありましたので、区間が増えると有利になるかなと思っていました」と両角監督。今回の勝因を分析すると、東海大は4年生カルテットを起用せずとも、ライバル校と比べて高い総合力を誇っていた。出雲は6区間、全日本は8区間、箱根は10区間。正月決戦を見据えると、東海大の優位が際立ってくる。 「今日は3年生の活躍が目立ちましたけど、彼らを押し上げてきたのは4年生です。箱根では4年生の力が絶対に必要ですし、鬼塚、關、館澤、阪口は復活してきますので、全日本の優勝は大きな弾みになったと思います。箱根に向けては、連覇はあまり考えずに、10人+αのなかでしっかりと準備をしていきたい」(両角監督) 箱根駅伝は全日本Vメンバー8人と、1万メートル28分20秒前後のタイムを持つ鬼塚と關、日本選手権優勝経験のある館澤と阪口。それから3年連続で山下りの6区を任され、前回は区間2位と快走している中島怜利(4年)もスタンバイしている。5区は前回区間2位の西田がさらに力をつけており、唯一といえる不安材料だった花の2区も名取で十分に対応できる。前回同様、つなぎ区間の爆発力で抜け出す予感が漂ってきた。