11月22日から「やる気が湧かない」「食欲がない」と感じやすい『小雪』。エネルギーを消耗するこの時期、守るべきはカラダのどこ?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
「二十四節気」とは中国で誕生した旧暦(太陰太陽暦)で、1年を約15日ごとに24等分した季節の名称のこと。この連載ではその二十四節気に沿った過ごし方や備え方、旬の食材を、漢方コンサルタントの櫻井大典さんが紹介します。「二十四節気は不調を防ぎ、日々をより豊かに過ごすための“知恵”の結晶」と語る櫻井さん。今回紹介する季節は「小雪(11/22~12/6頃)」です。 【書影】漢方コンサルタント櫻井さんのご著書『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』 * * * * * * * ◆小雪(しょうせつ) 11/22~12/6頃 紅葉が散り、北国ではわずかに小雪(こゆき)が舞い始めます。 しかしながら、日中は春のように暖かな日もあり、この頃の晴天で穏やかな天候の日のことを、小春日和と呼びます。 各地の神社で、収穫に感謝する新嘗祭(にいなめさい)や、商売繁盛を願う酉の市(とりのいち)のお祭りが行われるのもこの時期。 養生としては、積極的に休む、3食しっかり食べる、また、とくに寒さに弱い五臓(注)の「腎」を守ることを意識して、身体を寒さに順応させていきましょう。 (注)中医学の考えで、「五行論」に基づく「肝、心、脾、肺、腎」の5つを「五臓」といいます。いわゆる「五臓六腑」の五臓にあたります。
◆中医学的 小雪の暮らしかた ・心と身体の状態 比較的暖かい日と寒さの厳しい日をくり返し、少しずつ、本格的な冬を迎えていく時期となります。日暮れが早まり、気温の変化も激しく、私たちの身体の中では、寒さに対応するために自律神経が忙(せわ)しなく働き、体温を調節―。 つまり、何もしなくともエネルギーを消耗しやすい時期となります。 とくにお子さんやご高齢の方は風邪をひきやすい時期となりますので、ぜひ、ちょっとした体調の変化にも、普段から気をつけるようにしてください。 ・起こりやすい不調 身体を温めて寒さから身を守るためにエネルギーを消耗するので、「朝、やる気が湧かない」「食欲がない」といったように、“エネルギー不足”による症状が多く見られるようになります。 さらに、寒さは胃腸も弱らせます。身体を温めるためにエネルギーが使用されると、そのぶん、消化するためのエネルギーも不足してしまうのです。 この時期に疲れているのに頑張りすぎると、冬にいたわるべき腎が弱って冷えに弱くなり、気を多く消耗してしまいます。