厚生年金・国民年金の平均受給額はいくら?今から備えておきたい年金以外の備え3つ
今から備えておきたい年金以外の3つの資産
前章では老後に受け取れる年金額の平均について紹介しましたが、実際には個人差が大きく、年金受給額が5万円に満たないケースも少なくありません。 上記をふまえ、今のうちから年金だけに頼らない資産作りをすることが大切であると言えるでしょう。 本章では、今から備えておきたい年金以外の3つの資産について紹介していきます。 ●NISA(少額投資非課税制度) NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託で得た利益が非課税になる仕組みで、少額から始められるため「コツコツと老後資産を形成したい方」に適した制度です。 通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すれば非課税となります。 さらに2024年からは「新NISA」も導入され、非課税保有期間が無期限となったことから、さらに長期的な老後の資産形成がしやすくなったため、このタイミングで口座開設を検討するのが得策です。 ●iDeCo(個人型確定拠出年金) iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金を自分で積み立て運用できる制度で、税制上の優遇が豊富に設けられています。 掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税、さらに受取時には「公的年金等控除」や「退職所得控除」が適用されます。 60歳まで引き出せないため「計画的な貯蓄」に適しており、節税しながら長期的な資産形成を目指したい方におすすめです。 ●個人年金保険 個人年金保険は、現役時代に保険料として積み立て、一定の年齢から年金形式で受け取れる老後資金の備えです。 iDeCoと同様に、所得税や住民税の控除対象となり、節税効果も得られます。 ただし、契約後は中途解約が難しく、解約すると元本割れのリスクがあるため注意が必要です。 保険会社ごとにさまざまな商品が提供されているので、自分に合った商品を検討すると良いでしょう。
「年金を増やす」選択も視野に入れておこう
本記事では、公的年金「国民年金・厚生年金」の平均受給額と受給割合について紹介していきました。 現在のシニア層の年金受給額が「少ない」と感じた方は、本記事で紹介した年金以外の資産形成をしておけると安心です。 さらに、資産形成と並行して「年金を増やす」方法も考えてみましょう。 たとえば、国民年金のみの加入者は「国民年金基金」や「付加年金保険」を活用すれば、将来の年金額を増やせます。 老後に向けて資産を形成するだけでなく、こうした制度も積極的に活用し、安心した老後生活の準備を進めましょう。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・金融庁「NISAを知る」 ・国税庁「株式・配当・利子と税」 ・厚生労働省「iDeCoの概要」 ・国税庁「No.1140 生命保険料控除」 ・全国国民年金基金「国民年金基金制度とは」 ・日本年金機構「付加保険料とは、どのようなものですか。」
中本 智恵