《ブラジル》木村隆介NHKサンパウロ支局長が帰朝=「帰国後も日系社会と関係続ける」
NHKサンパウロ支局の木村隆介支局長(46歳、滋賀県出身)が帰国当日の8日午前、帰任挨拶のため本編集部を訪れた。同支局長は開口一番、「国外ではベネズエラ大統領選挙の取材と、ブラジリアでの連邦政府による大戦中の日系人迫害への謝罪の件を同時並行で取材して最後まで忙しかった」と話した。 着任したのは2021年7月下旬で、「東京オリンピック開幕式を観ながら着任準備をしたことを覚えている」と振り返った。印象に残る取材を尋ねると、「2022年10月のブラジル大統領選挙では、ちょうど米国で中間選挙があったため、アメリカ総局に手伝ってもらえず、1人で2日間、1日3回ひたすら原稿を書き続けました」と語った。 ブラジル大統領選挙がそれほど注目を集めた訳を聞くと、「グローバルサウスという言葉が最近注目されるようになり、その中核にブラジルが置かれて関心が高まっている」とのこと。その流れで「岸田総理の南米訪問が決まり、5月4日の来伯があった。ブラジルが重視されている証拠」との評価だという。 日系社会については「ビックリするぐらい温かく歓迎された。例えば県人会の北海道祭りでは、焼きサンマやホタテなどを食べることができ、まるで日本にいるように過ごした。ベルリン支局に駐在した時には日本食材のスーパーがなくストレスがあったが、ブラジルでは日本と変わらないような野菜や食材が容易に手に入り、楽しく生活することができました」とのこと。 帰国後は、デカセギ日系人が日本で最も多い愛知県の名古屋勤務が内定している。名古屋放送局では日系ブラジル人もキャスターを務める週1回の『ハローネイバー』という枠があり、「これからも日系社会との関係を続けていきたい」と締めくくった。後任の吉永智哉(よしながともや)さんは今月後半に到着する予定。