ドジャース、今オフのFA補強ポイントは? ”最優先”で獲得すべきポジションは…【コラム】
“第2のテオスカー・ヘルナンデス”に…?
さて、ここからは投入リソースと選手の価値を真面目に天秤にかける必要がある。ソトのように資金やプロスペクトを無限に投入してはいけない。 有力な候補となるのが、レッドソックスをFAとなったタイラー・オニールだ。 今季は2シーズンぶりの100試合出場を果たし30HR、OPS.800超えを達成。怪我がなければオールスター級のパフォーマンスができることを証明した。将来の怪我リスクはとりあえず横に置いて、パフォーマンスの分析をする。 今季のオニールはwRC+131からもわかる通り攻撃面では優秀であった。三振率はリーグワーストレベルだが、無視できるレベルの長打、更には四球率11.2%からもわかる通り球をしっかり選んで振っている。 このスタイルはマックス・マンシーやテオスカーのようなタイプで、ドジャースが重視するカウント管理が良い選手に合致している。 守備面では外野両翼を守れるため、テオスカーが抜けムーキー・ベッツが内野に入っていくドジャース外野陣にはフィットする。 守備は決して上手いとは言えないが、RF:アンディ・パヘス、CF:トミー・エドマンの布陣にすれば多少はカバーできるはずだ。テオスカーも守備は上手くなかった。 横に置いた怪我リスクの話に入るが、オニールが怪我体質であることは球界周知の事実であるため、契約が小規模となる可能性が高い。 オニールに実力を証明する気があるなら単年+選手オプションの契約を結ぶことも可能だ。長期的編成にダメージを与えることはない。もしかしたら今季のテオスカーのように化けることもあるかもしれない。 また、レフトのバックアップにはトッププロスペクトのドルトン・ラッシングが控えているため、オニールの怪我時期をラッシングの出場機会と合わせて、メジャー経験を積ませることもできる。
トッププロスペクトの覚醒に期待も
FA市場で満足いく補強ができなかった場合は、トッププロスペクトのドルトン・ラッシングに白羽の矢が立つ。 ドジャースNo.1であり、MLB全体No.39プロスペクトのラッシングはドジャースの未来を担う逸材だ。 元はキャッチャーだったものの、ウィル・スミス、ハンター・フェドゥーシャ、ディエゴ・カルタヤと詰まっていたため、打撃の才能を活かすために2024年途中から外野手に転向した。 ドジャースがラッシングを高く評価していることは2024年トレードデッドラインでの動きからわかる。米メディア『The Athletic』のKen Rosenthal氏によれば、ドジャースが放出可能としたプロスペクトの中にラッシングは含まれていなかった。 逆にドジャースNo.5プロスペクト投手のリバー・ライアンは放出可能となっていたという。当時、先発投手が不足していたドジャースがラッシングを出さないとしていたことは、首脳陣からの期待の表れと言えるだろう。 ラッシングの打撃データを見ると、wRC+はAAA PCL 19位/145人と総合的な攻撃力は優秀だ。ドジャースが重視する選球眼ではBB%が17位、K%が55位と三振は少し多いが、十分な数の四球を選べている。 米分析サイト『Fangraphs』の2024年シーズン前スカウティングリポートでは、ラッシングを”低打率だが選球眼とパワーの影響で平均的な価値を発揮できる”としている。外野転向で守備負担が減るため、より高い価値を打撃で埋めるようになるだろう。
ベースボールチャンネル編集部