台湾の海底ケーブル損傷 大陸委「グレーゾーン作戦の可能性排除しない」
(台北中央社)乗組員全員が中国人のカメルーン船籍の貨物船が、台湾北部海域の海底ケーブルを意図的に損傷させた疑いがあるとされる問題で、台湾で対中政策を担当する大陸委員会の梁文傑(りょうぶんけつ)副主任委員兼報道官は9日、武力攻撃と判断しにくい手段で圧力を加える「グレーゾーン作戦」の可能性を排除しないと語った。 梁報道官は、政府はケーブルの損傷を非常に重視していると説明。部会(省庁)横断型の会議を複数回開催し対応策を協議しているとした。貨物船は現在、韓国・釜山に向かっているとみられ、韓国の警察側にも協力を要請したと語った。 一連の問題は司法手続きに入っており、台湾基隆地方検察署(地検)が捜査を指揮しているという。ケーブルの損傷が意図的かどうかは調査の結果を待つとした。 また事実上の船主の所在国・地域とは異なる場所に船籍を置く「便宜置籍船」は国際社会で多くの問題を起こしていると指摘。中国・福建省に近い馬祖や金門周辺海域のケーブルも複数回切断されており、政府は関連の問題を慎重に取り扱うと述べた。 行政院(内閣)の李慧芝(りけいし)報道官も同日、海巡署はケーブルの陸揚げ地点周辺の外海を重点監視海域とした他、海域内の海面上の目標に対する監視を強化すると強調。同様の問題が起きた際、迅速に証拠収集や捜査ができるようにするとした。 (頼于榛、高華謙、李雅雯/編集:齊藤啓介)