衛星コンステレーションで宇宙太陽光発電を実現へ ロビンフッド共同創業者が新会社設立
私たちは宇宙探査の時代に足を踏み入れつつある
■私たちは宇宙探査の時代に足を踏み入れつつある バットは2013年、米スタンフォード大学物理学科の学生だったときに知り合ったブラッド・テネフと共同でロビンフッドを設立した。2020年に共同最高経営責任者(CEO)から退き、その後就任した最高クリエイティブ責任者(CCO)と最高マーケティング責任者(CMO)の職も2024年3月に辞して、現在は取締役会に名を連ねているのみだ。 退職の動機については「このような(宇宙関連の)計画を実現したい気持ちが強すぎた」からだと語っている。子どもの頃に父親がNASAで働いており、「いつか自分も数学者か物理学者になるんだと思っていた」そうだ。 今のところ、バットはAetherfluxの資金調達を自己資金でまかなう予定だ。フォーブスの試算によればバットの資産額は15億ドル(約2237億円)を超えており、初回ミッションの達成は可能だろう。まずは技術の試験・実証を行う衛星の打ち上げを2025年第1四半期に予定している。 その後のプロジェクトには「多額の外部資本が必要になる」とバットは認める。民間からの資金調達と合わせ、公的資金も活用したい考えだ。すでに、遠隔地の米軍基地や戦場におけるAetherfluxの電力ソリューション利用に関心があるとみて、米国防総省と接触しているという。当面はこうした方面での運用や、遠隔地鉱山など電力インフラ構築が困難な環境での顧客・用途を開発していくとしている。 バットは新会社を、軌道上に構築したインフラによって地上の生活を支援する方法が変わる中で生まれた動きの一つと位置づけている。「私たちは宇宙探査の時代に足を踏み入れつつあり、その実態は今後5~10年で様変わりするだろう。このようなパラダイムシフトが起こると、軌道上で発電を行うメリットがだんだんと明らかになってくると思う。だが、それを証明するにはまだ時間がかかる」とバットは述べた。
Alex Knapp