子どもに頼られたときの備えとは? お金のプロに聞きました。
非常事態が起きたときに、いくらかかる? 公的支援はある? ピンチをなんとか乗り切るために、知っておきたいことをファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに聞きました。
(CASE 1)娘が就学前の孫を連れて戻ってきました。老後資金を取り崩すことになりそう…。
【年間150万円程度必要】 どの程度の生活水準を望むかにもよるが、夫妻に子どもがひとり生まれるときには、年間100万円くらい支出が増えることが多い。まずは娘と孫、合わせて150万円くらいの生活費増を想定しておこう。幼稚園や保育園の費用は、娘が無収入なら、利用料実質無料の対象になるはず。 「老後資金の大幅な減少を避けるため、たとえば1年くらいで独立するように約束させるなど、いつまで、どのくらいなら支援できるのかを、早めに話し合っておくことが大切」
(CASE 2)高校生の娘が自転車で通学途中、高齢者と衝突してしまいました。
【1億円という事例も】 自転車事故で高額賠償の判決が出る事例が増えている。たとえば平成25年の神戸地裁の判決では、坂道をくだってきた小学5年生の自転車が歩行中の62歳女性と衝突して意識不明となった事例で、9520万円の賠償が命じられた。自動車を運転する場合は、自動車損害賠償責任保険の加入が義務化されているが、自転車保険は加入が義務となっている自治体と、努力義務の自治体がある。 「保険は“めったに起きない、しかし起きてしまったら人生が詰んでしまう”ケースに備えるためにあります。自転車保険の中でも個人賠償責任特約などが今回のようなケースで保険金を出してくれる可能性があります。万が一のために、必ず入りましょう」。 自転車保険は、自分のけがへの補償がセットになっていることがほとんどだが、特に相手への賠償にどこまで対応できるのかよくチェックを。自転車に乗る家族が複数いる場合は、加入者の範囲もよく確認して。
(CASE 3)息子が想定外に、大学院に進学したいと言い出しました。
【入学時約100万円*】 文部科学省のデータによると、私立大学大学院は博士前期課程(入学時)で105万円程度、後期課程で87万円程度の学費が必要(国立大学大学院の場合は、この7~8割程度が目安)。 「交通費や参考図書代など、通学には授業料以外にもお金がかかります。奨学金を検討するにも、大学院の場合、利用できる支援制度が多くなく、家計の負担なのは事実。学びたい分野にもよりますが、夜間や土日、オンラインで授業を受けられる大学院を選び、働きながら学ぶといったことも視野に入れ、話し合ってみるといいかもしれません」