千賀に内川&松田アベック弾無視儀式。ソフトに西武追撃の役者が揃ってきた
ソフトバンクの開幕投手を務めた千賀滉大(25)が1日、ZOZOマリンで行われたロッテ戦で約3週間ぶりに復帰登板、7回を投げて5安打1失点で10奪三振を奪う力投を見せて今季初勝利を飾った。スコアは3-1。内川聖一(35)と松田宣浩(34)がアベックソロアーチを放ち「アベック・サイレント・トリートメント」で迎えられた。内川の2試合連続となる2号は決勝弾となり2安打を放ち通算2000本安打へ残り「4」とした。
“眠れる鷹”の目を覚ましてしまった。 井口・ロッテの代名詞とも言える機動力の揺さぶりが、4月6日の楽天戦で右腕上腕部の張りを訴えて4回途中降板して以来の復帰登板となった千賀にとって逆にプラスに転じたというのである。 初回。 「そんなに点は取れない。いろんな仕掛けをするしかなかった」という井口監督は一死からルーキーの藤岡裕大が四球を選ぶと、続く中村奨吾の打席で、カウント2-2からエンドランを仕掛けてきた。中村は、詰まることを恐れずしっかりとスイングしてレフト前へ(こういう振り切る打撃が今季のロッテの特徴でもあるが)。一死一、三塁にすると、さらに打者・井上晴哉の2球目に中村が走る。 「(捕手の)スローイングを見てから(三塁走者が)GOのサインだったが…」(井口監督) 条件付きのダブルスチールだったようだが、捕手の甲斐拓也の方がしたたかだった。二塁送球のポーズだけを見せて、マスクをとり、三塁走者の藤岡の飛び出しを確認すると、強肩がうなる。 藤岡は頭から帰るが間に合わない。 「あれで気持ちが入った。心配だった試合勘が、あれで戻った」 実は、この白熱の攻防が、千賀にとっては絶好の刺激剤になったという。 走者の足にも、アンテナを張り巡らせ、牽制とクイックで警戒しながらの緊迫した試合展開が、千賀に緊張感を与え、約3週間離れていた試合勘を呼び戻したのである。ロッテベンチは、千賀を攻略すべき足攻が、そこに、つながるとは思ってもみなかっただろう。 以降、千賀のピンチらしいピンチは4回だけだった。清田育宏のタイムリー二塁打で1点を失い、さらに一死一、二塁と走者を背負うが、鈴木大地と大嶺翔太を連続三振。 第1打席にフォークを拾われた鈴木には、初球はスライダーから入って後は徹底したインコースへのストレート攻め。最後は裏をかかれた鈴木も手が出ずにストレートに見逃し三振。大嶺には、フォークで格の違いを見せつけた。7回まで116球1失点10奪三振でハイクオリティスタートを守った。