首相早期訪米へ調整急ぐ トランプ氏との初会談目指す 政府
トランプ次期米大統領が石破茂首相との会談に意欲を示したことを受け、日本政府は早期の首相訪米に向けた調整を加速させる。 【ひと目でわかる】ドナルド・トランプ氏ってこんな人 初の対面会談が実現すれば、日米同盟の深化を確認し、個人的な信頼関係の構築につなげたい考えだ。 林芳正官房長官は17日の記者会見で「日本を重視する前向きな発言を歓迎する」と表明。「双方の都合のいい時期に会談し、じっくりと意見を交わし、人間関係を構築することができればいい」と述べた。 首相は就任後、トランプ氏と短時間の電話会談を行ったが、対面会談は実現していない。11月の南米歴訪の際、帰途に米国へ立ち寄ることを模索したが断念。トランプ氏側から、来年1月20日の就任式まで外国首脳に会わないとの意向が伝えられたためだ。 ただ、トランプ氏はカナダのトルドー首相やフランスのマクロン大統領らと会談。故安倍晋三元首相の妻昭恵さんとも今月15日、米南部フロリダ州の私邸で面会しており、日本側には戸惑いの声が漏れる。 トランプ氏が就任前の会談実現に言及したことは、訪米の具体化に向けた好機となりそうだ。その場合、就任式に先立つ1月上中旬が有力な選択肢となるが、日本側には「就任前に無理する必要はない」(政府高官)との慎重論も多い。 就任後なら「2月以降」で選択肢を探るが、各国首脳から新大統領に会談希望が殺到し、調整に手間取る可能性がある。通常国会で2025年度予算案の審議が本格化するタイミングとも重なるため、「会談時期が限られる」(外務省幹部)中で慎重に見極める構えだ。