【毎日書評】接客のプロが「仕事は人間関係が10割」と断言するわけ
仕事は人間関係が10割
忘れるべきでないのは、仕事がすべて人間関係で成り立っているということ。 オンライン上だけでのやりとりやリモートワークなど、以前にくらべれば人と直接関わる機会が減った仕事もあります。しかしそれでも、人間関係は不可欠。そう信じて疑わないからこそ、著者は「仕事は人間関係が10割」だと主張するのです。 商品やサービスの向こう側には必ず人がいます。 一見、人間関係とは関わりのなさそうな仕事でも、直接関わる仕事でも、どちらも人間関係が10割です。(15ページより) 仕事の本質は、人を喜ばせたり、人をよりよい状態にすること。直接人と関わっていないような仕事でも、どこかで、向こう側にいる人とつながっているわけです。 また、人が動かなかったり、関わる人の数が少なかったりすれば、動く金額は小さくなります。一方、誰かが何かをつくったとして、それを欲しいと思う人が大勢いたり、関わる人が多かったりすれば、大きなお金が動きます。そうすると、たくさんのお金を得るチャンスが生まれます。(16ページより) それどころか、人とのつながりによって新たな道が開けたり、新しい仕事を得て人生が大きく変わることもあるでしょう。そういう意味でも、人と接することは重要。しかもその能力は、努力によって磨くことができるのです。(14ページより)
接客で大事な2つのマインド1「尊重する気持ち」
「接客は、現代で生きる限り、一生使えるスキル」だと断言する著者は、接客をするうえで持っていたい2つのマインドを紹介しています。 まず1つ目は、人を尊重する気持ち。それは、相手の主義主張や感情を大切に思い、相手とのコミュニケーションを円滑にすることにつながるからです。 これは相手に媚びへつらうようなお世辞を言ったり、自分に嘘をついたりすることではありません。 接客業という職業であっても、私はお客様にへりくだる必要はないと考えています。もちろん、サービスを提供する人、提供される人という立場の違いはありますが、接客というのは人と人との交流です。自分もお客様も互いに気持ちのよい状態、関係になるのがベストです。(19ページより) 接客は人と人とのコミュニケーションなので、相手を尊重しながら交流すれば、関係を育みやすいはず。そこで著者は、次のように提案しています。 話を聞くときに、相手を尊重しながら話を聞いてみましょう。 質問をするときに、相手を尊重しながら質問してみましょう。 意見を言うときに、相手を尊重しながら意見を伝えてみましょう。(20ページより) これらを続けていると、相手から「自分を尊重してくれる人だな」と感じてもらえるようになるわけです。ただし、無理をしないことも大切。(18ページより)