「飛行機に乗っているみたい」JALベルスターのCA、ビジネスクラス訓練施設で初ディナーショー
今年で30回目のクリスマスを迎える日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員によるミュージックベル演奏チーム「JALベルスター」。1995年の結成以来、初の試みとして今年は12月から各地で通常の演奏会が開かれる前に、羽田空港の訓練施設にある客室モックアップでビジネスクラスの機内食を提供するディナーショー「JAL Premium Night 2024」を開いた。参加者の中には国際線に乗ったことがない人もおり、メンバーと共に“空の旅”を楽しみ、「飛行機に乗っているみたい」と喜んでいた。 【写真】羽田空港の訓練施設で演奏を披露するJALベルスターのCA ◆追加分も完売 ディナーショーでは「そりすべり」をはじめ、クリスマスソングやディズニーの楽曲など12曲を披露。羽田空港の訓練施設「第1テクニカルセンター」にある空港のチェックインカウンターのモックアップで演奏、国際線ビジネスクラスのモックアップで機内食を参加者に楽しんでもらった。 提供した機内食は、国際線中距離路線のビジネスクラスで提供しているメニュー。料金は1人1万3200円で、定員40人で先着順の受け付けた後、客席などを確保できたことから10人分追加し、最終的に51人が11月28日に初開催されたショーを楽しんだ。 企画したJAL客室本部客室業務部創造戦略グループの平松慶悟さんによると、30回目を記念するとともに、客室乗務員と利用者とのこれまでとは異なる接点を作る試みの一つとして初開催したという。 30年目となった今年のメンバー「JALベルスター2024」は、活動テーマに「BE JOYFUL! みんなで紡ぐきらめきの音楽」を掲げた。ベルスターは例年、前年のメンバー1人が続けて参加し、公募で選ばれた新たなメンバーに技術などを伝承して、8人で演奏する。しかし、2022年がコロナで制限のある環境での演奏となったことから、昨年2023年は2022年のメンバーが「もう一度演奏したい」と訴え、ベルスターの歴史で初めて全員が経験者のメンバーで演奏を披露した。 今年は昨年リーダーを務めた堤真菜さんと、野村佳乃子さんの2人が伝承役として参加。新メンバー6人が加わり、リーダーの堤さんとサブリーダーの野村さんがアレンジの基礎を作り、メンバー全員で仕上げたものを演奏している。 ◆「飛行機に乗っているみたいだった」 ディナーショーを終えて、リーダーの堤さんは「ここまでお客さまと近い距離で演奏したことはありませんでしたので、演奏に関する温かいお言葉や『お食事おいしかったです』と、近くで直接伺うことができてよい経験になりました」と笑顔を見せた。 通常の演奏会前に開かれた公演の出来は「初めての公演で100%とはいかなかったですが、これからの課題や伸びしろが見えたので、さらに成長したいです」と話した。堤さんによると、ミュージックベルは持ち帰れないため、各自がイメージトレーニングを重ねていくという。 また、初めてリーダーの補佐役を明確にしたサブリーダーを務めている野村さんは「公演で何が必要かなどを新しいメンバーに伝えて、今までよりもスムーズに進めることができています」と、チームとしてより一体感のある活動につながっていることを実感していた。 2023年度入社の村松泉里さんは「お客さまから『飛行機に乗っているみたいだった』『こういう機会があってうれしい』と言っていただき、私も飛行機にってサービスしているようでした」と振り返った。また、多くのメンバーが、ビジネスクラスのモックアップで参加者と会話を楽しんだ後に演奏を披露したことから、開演してすぐに披露した1曲目と比べ、リラックスして演奏できたそうだ。 8人の中で唯一、今年度入社の高矢里奈さんは「入社半年で、まだミールサービスをしたことがないのですが、ベルスターの活動が日々のフライトにつながっていることを実感しました」と、モックアップで参加者と会話したことも貴重な経験になったという。 例年と同じ通常の無料演奏会は、3日の羽田空港第1ターミナルが最初となり、7日の函館、13日の大分、15日の秋田、21日のグランドニッコー東京 台場、22日の札幌、クリスマスの25日に羽田第3ターミナルで演奏し、今年の活動を終える。
Tadayuki YOSHIKAWA