大阪・関西万博を記念したEXPO2025 ANA JETがデビュー。ミャクミャクも駆けつけて門出を祝う
ANAは12月12日、特別デザイン機「EXPO2025 ANA JET」(ボーイング 737-800型機)のお披露目式典を羽田空港第2ターミナルの61番ゲートで開催した。 【画像】流線形のカラーリングを採用したEXPO2025 ANA JET(ボーイング 737-800型機、登録記号:JA58AN)。運航はANAウイングスが担当する 今回の特別機であるEXPO2025 ANA JETは、2025年4月13日に開幕する大阪・関西万博を記念したもので、万博をイメージした赤・青・グレーの流線形、ANAコーポレートカラーであるモヒカンブルーとトリトンブルーの流線型を融合させたカラーリングが特徴。デザインは「風に乗って未来へ向けて飛び立つこと」を想起させるものになっている。737型機を特別機に採用した理由としては、日本国内どこの路線にも投入できる使いやすさを挙げていた。 EXPO2025 ANA JETならではの機内サービスも用意されている。客室乗務員は同機のカラーリングがデザインされた特製エプロンを着用し、機内サービスに使われる紙コップも特別仕様になる。また、希望者には特製ステッカーも配布するとのことだ。これらのサービスは2025年2月より順次搭載し、開始される。 ANAグループは2025年 大阪・関西万博に積極的に関わっており、PRサプライヤとして協賛しているほか、一定額の寄付、グループ内での入場券の購入、夢洲会場ポートを拠点とした「空飛ぶクルマ」の運航など、万博の成功に向けて力を入れている。その最たるものが、今回お披露目したEXPO2025 ANA JETだ。 式典ではまずANA 代表取締役社長の井上慎一氏が意気込みを述べた。井上氏自身が小学校6年生のときに大阪万博が開催され、初めて海外の方と出会った場所であることから「こんなに多くの民族がこのように存在しているんだ」ということが鮮明に残っているとし、太陽の塔の3つの顔の意味を父親に教えてもらい、一番上に輝いていた黄金の顔が日本の未来を表わしたものだと言われ「日本の未来に対してワクワクした思いを持ったことをいまだにはっきりと覚えております」と話した。 万博は世界各国が一堂に会し、未来の可能性を共有する場であるとの考えから、未来を担う若者たちに世界への興味と未来への希望を抱くきっかけになってほしいとも話し、そのお手伝いをぜひANAがさせていただきたいと抱負を語った。 来賓を代表して経済産業副大臣・内閣府副大臣の古賀友一郎氏は、万博を通じて日本の隅々まで知ってもらうのが大きな狙いであることを述べた。そのなかで「全国各地の路線に就航されるとお聞きました。まさに地方都市と世界を結び、夢と希望を運ぶ。そのような大きな役割を果たしてほしいと心から願っている次第であります」と話した。 今回の機体をデザインした代表者としてKUZE DESIGNの代表取締役社長の久世迅氏は、コンセプトに込めた想いを話した。 デザインは誰もが手掛けられるツールの一つであり、そのデザインの第一歩は模倣であること。頭のなかに思い浮かべたものをアウトプットする、その一歩として子供たちが飛行機を見てかっこいいなと思ったとき「簡単なラインを機体の横に書けばこの飛行機に見えるということ。みんなのデザインがそこから始まり、新しい未来の社会を作っていくっていうことの発端になれば」と述べ、なるべくシンプルなデザインを心掛けたとのことだ。また、機内サービスのエプロンや紙コップは障がいを持つ方との共作であることも紹介した。 初便となったのは羽田発・関西国際空港行きのNH991便。出発前には公式キャラクターのミャクミャクも駆けつけ、機体の前でポーズをとってくれた。井上社長らがお見送りするなか、EXPO2025 ANA JETは13時31分に出発した。
トラベル Watch,野村シンヤ