1回戦 地域一丸 これぞ、福知山成美魂 筑陽学園に2-3 闘志たたえる声 /京都
<センバツ2019> 第91回選抜高校野球大会第4日の26日、福知山成美は第1試合の1回戦で筑陽学園(福岡)と対戦し、2-3で惜敗した。勝利の校歌は甲子園に響かなかったが、ひたむきに1点を追いかける選手たちの姿にスタンドからは「よくやった」と闘志をたたえる声が響いていた。【佐藤孝治、砂押健太】 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 福知山成美の応援団はこの日午前4時、チャーターしたバス18台に分乗して福知山市を出発。三塁側アルプススタンドには2500人以上の大応援団が陣取り、目の離せない試合展開を最後まで見守った。 試合は二回、筑陽学園が3連続安打で1点を先制した。福知山成美も四回、神内秦選手(3年)の2点適時打で逆転。神内選手は前打席でも足を生かした内野安打で出塁し、スタンドで応援する父親の博さん(40)は「上出来」と息子の活躍に目を細めた。 その後追いつかれ、中盤の五回までは安打数も同じと両チームが互いに譲らない展開。小橋翔大投手(3年)も持ち味の制球力を発揮したが、観戦していた父親の一之さん(46)の目にはその姿が厳しく映っていた。 「いつもより球がうわずっているように思う。仲間を信じて投げきってほしい」。祈るような思いで試合を見つめたが、その不安が的中したかのように小橋投手の制球が七回に乱れ四球からの長打で再逆転を許した。 スタンドからは「エー」と悲鳴に似た叫び。「負けたわけでない。最後は勝つ」(村田徹応援団長)と声を振り絞る応援団員たち。高校時代から福知山成美のファンという兵庫、滋賀両県の20代女性2人もユニホームを着て応援。試合終了まで見届け、「これぞ成美という野球を見せてくれた。ありがとう」の言葉を贈った。 ◇声とダンスで盛り上げ ○…三塁側アルプススタンドにはチアリーダー同好会の16人のメンバーが選手たちにエールを送った。普段は10人で活動しているが、センバツ出場が決まり、テニス部のマネジャーや華・茶道部など他の部活動の生徒6人に助けを借り、初戦に向けて練習してきた。 各選手に応援メロディーがあり、違う振り付けをつけるため、メンバーを五つのグループに分けて考えた。放課後の1時間半と限られた時間の中で考えた振り付け練習をしてきたが、リーダーの平出菜々美さん(3年)は「良い感じ」と仕上がりを実感。1点を追う終盤、「OH!!成美!!」が流れるとスタンドの盛り上がりも最高潮になり、野球部員の応援にも引けをとらない声とダンスで応援した。試合後、平出さんは「良い経験をさせてもらって、すごく楽しかった」とスタンドにあいさつに来る選手たちを見つめた。 ◇選手ごとの応援歌 ○…今大会の福知山成美にはベンチ入りした選手ごとの応援歌が付けられた。選手にリクエストを求めて選曲した。全員の曲が決まったのは2月下旬。吹奏楽部の部員たちはその後、連日の音合わせの練習を重ねこの日に備えた。小橋翔大投手には「暴れん坊将軍」の曲が。勇ましいトランペットの音色が響き、間奏のときに「せーの ホ・リ・コ・メ…コバシ」の大声援も。10年前のセンバツ初出場の時に作られたオリジナル曲「OH!!成美!!」もチャンスの時に流れ、応援を盛り上げた。 ……………………………………………………………………………………………………… 福知山成美 000200000=2 01010010×=3 筑陽学園 〔丹波・丹後版〕