中国SHEIN、欧米でユーザー急増 24年7-9月のアクセス数はライバルを抑え世界トップに
SHEINにはレディース、メンズ、キッズ、靴、アクセサリー、インテリア、メイクなど多彩なカテゴリの商品が数十万点以上出品されている。価格はいずれもライバルのZARAやH&Mに比べて安く、例えば、ごく普通の白いシャツがH&Mでは24.99ドル(約3800円)、ZARAだと45.9ドル(約7000円)のところ、SHEINはわずか13ドル(約2000円)で販売している。 SHEINの躍進は、中国の強力なサプライチェーンをベースに構築したフレキシブルな生産体制によるところが大きい。あらゆるSKUが100点あるいは200点からの発注が可能なため、ファッションの動向をリアルタイムに分析し、トレンドをキャッチしてから生産までわずか1~2週間しかかからない。商品発売後にはすぐさま市場のフィードバックを確認し、ヒットすれば即座に再生産、反応が芳しくなければ速やかに生産を停止する。 こうした「小ロット短納期」モデルで在庫を減らし、業界平均で30%になる在庫率を、SHEINでは1桁台にまで抑えている。 またサプライヤーに対する代金の支払周期が業界平均で90日であるのに対し、SHEINの場合は通常30日もしくは2週間、最短で1週間と短いことも、サプライヤーがSHEINの要望に応える理由のひとつだ。 このほか、巨額の資金とリソースを投入して加盟事業者のビジネス拡大や配送センターの整備などを支援し、今後の長期的競争における優位性を確実なものにしている。また昨年、世界に向けて年間売上高100万ドル(約1億5000万円)の事業者を増やす「希有引力」計画を打ち出した。今後3年間で中国を含め世界中で年間売上高100万ドル超えの事業者1万社、売上高10万ドル(約1500万円)の中小事業者10万社を目指すという。 自社ブランドの展開に加え、他のメーカーの商品やブランドの誘致も始めた。2023年にはマーケットプレイスの運営を開始、プラットフォームを進化させ、自社ブランドとマーケットプレイスという2本柱のビジネスモデルを作り出した。 SHEINは現在、世界でも最大規模となる新規株式公開(IPO)の手続きをロンドンで進めている。 *1ユーロ=約165円、1ドル=約153円で計算しています。 (翻訳・36Kr Japan編集部)