オリックス・古田島成龍、プロ野球タイの初登板から22試合無失点「中継ぎ陣はゼロで帰ってくることが答え」
(パ・リーグ、オリックス4ー1西武、12回戦、6勝6敗、23日、京セラ)オリックスのドラフト6位・古田島成龍(せいりゅう)投手(24)=日本通運=が3点リードの八回2死から登板して1人を抑え、初登板から22試合連続無失点とし、2021年の広島・栗林良吏、22年の楽天・宮森智志の両投手の記録に並んだ。 力のこもった5球を投げた。古田島が初登板から22試合連続無失点のプロ野球記録に並んだ。 「1人にしか投げていないので、そこはあれですけど、本当に素直にうれしく思います」 3点リードの八回2死から代打・山野辺を迎えた場面でマウンドへ。15日のヤクルト戦(京セラ)で1回を投げてから中7日での投球となったが、カウント2-2から外角直球でボテボテの投ゴロに仕留めて拳を握った。 初登板の4月6日のロッテ戦(ZOZOマリン)から変わらず、両サイドに投げ分ける150キロ超の直球は威力十分。ここまで20回1/3で11本の安打を許しながらも、得点圏では被打率・105(19打数2安打)と粘りの好救援を続けている。 中央学院大4年時にドラフト指名漏れを経験。だが、社会人の日本通運に入り1年目の2022年年からメンタルトレーニングを始めたことで、変わった。専門家の指導を仰いで「セルフトーク」(自分への語りかけ)や呼吸法で気持ちをコントロールする技術を身に着け「自分を客観的に見て落ち着かせ、冷静に投げることができるのは自分の強み」と自信を深めた。 4月30日には第1子となる長女が誕生。「妻がすごく頑張っている。僕は家事も育児もできないので、野球をとにかく頑張るしかない」とプロの世界で生き抜く覚悟が決まった。パ・リーグ3連覇中のチームで、大勢のファンの前で投げられている喜びを、この先も投球で表現していく。 「こんなにも素晴らしいところで投げられている。うれしい、楽しい。小さくまとまっていたら、投げられていない人にも失礼」 チームは交流戦明け最初のカードで、最下位の西武にきっちりと勝ち越した。「自分たち中継ぎ陣はゼロで帰ってくることが答え。その仕事をこなすだけ」。自分を信じて、黙々と。チームのために、記録の更新を続ける。(上阪正人)
■古田島 成龍(こたじま・せいりゅう) 1999(平成11)年6月29日生まれ、24歳。茨城県河内町出身。長竿小2年時から河内サイクロンズで野球を始める。河内中では硬式野球チーム・オール県南に所属。取手松陽高では1年夏からベンチ入りし、右翼手。1年秋からエースとなり2年春の茨城大会8強。甲子園出場はなし。中央学院大4年時に明治神宮大会優勝。日本通運を経て24年D6位でオリックスに入団。175センチ、85キロ。年俸700万円。右投げ右打ち。背番号「97」。