1着110万円の子ども服!?海外で出店拡大 の「ミキハウス」は“高級路線”に活路 少子化が進む日本...メーカーの生き残り戦略
全社員の約1割が海外事業の主軸を担う“外国人社員”
海外事業の主軸を担うのは、中国やベトナム出身などの社員。今では全社員の約1割を占めています。というのも、実は、進出した海外では店舗経営を提携する現地オーナーに委ねていて、重要な日本とのパイプ役を担っています。 中国・上海の店舗を担当している、入社4年目の常麗さん。この日は、リニューアルする店舗の内装を現地のオーナーに提案するため、社内の担当者と話し合っていました。設計図を見た常さん、気になる点があるようで… (常麗さん)「シューズ売り場をもう少し…修正していただけますか?結構シューズが多いです、売り上げとしてもシューズの割合が多いから」 (店舗設計担当者)「何%くらい?」 (常麗さん)「30%…全体の30~40%」 中国ではシューズが人気なため、売り場面積を拡大してほしいと要望。 (常麗さん)「ミキハウスのシューズは中国ですごく人気があるので、初めてのシューズなら必ずミキハウスのシューズ」
高級路線「ゴールドレーベル」 1着110万円の商品も
海外店舗を拡大しているなかで、2022年に発表したのが、高級路線の「ゴールドレーベル」。ベビーカシミヤなどの素材を使っていて、一般的な商品と比べて約2~3倍高い価格設定です。なかでも目玉は、アンデス山脈に野生する動物から採取した繊維“ビキューナ”を使用したセーターやマフラーなどの商品。お値段なんと…ベビーマントで税込110万円!目玉が飛び出るほどの高額商品です。 3月7日、年2回の新作発表会が開かれ、国内の百貨店や海外店舗のオーナーたちが新商品の買い付けにやって来ます。 (韓国の店舗オーナー)「新しく出たものみたいよ。母親たちはこの裏地の感触が好きだと思います」 (パリの店舗オーナー)「この商品を一つずつ。(Q両方の色ですか?)ええ、重要な商品だわ」 十数万円する「ゴールドレーベル」の商品も、次々と発注されていきます。希少な“ビキューナ”を使ったあの高額商品の反響は…? (中国・北京6店舗のオーナー)「すごく優しくて、手触りがすごくいい感じです。(中国人は)自分の子どもに対して大事にして、もっといいものを使わせたい気持ちがあるので、みんな喜んで買うんじゃないかと思います」 こう話す中国・北京店のオーナーは、今回、3000点以上発注したといいます。 上海店担当の常さんは、現地のオーナーにリニューアル店舗の最終案を見せていました。 (中国・上海店舗オーナー)「すごくすてきなお店が出来上がりました。以前のお店はシューズ売り場が小さかったので、今回のリニューアルで売り場を増やした提案をしてくれて、とても満足しています」 常さんが提案したシューズ売り場の拡大は喜ばれたようです。 (中国・上海店舗オーナー)「常さんからいろいろアドバイスをいただき、今の店の売り上げに繋がっています。とても感謝しています」 (常麗さん)「うれしいです」 ミキハウスの社長は、今の状況は想定外だといいます。 (ミキハウスグループ 木村皓一社長)「海外50%、国内50%と思っていましたけど、今は海外60%以上になってしまって、やはり考えていたよりも、日本の出生人口がちょっと減りすぎたかなと。今アジアの人が多いので、もっと全世界のみなさんに使っていただけるようになればなと思っています」 (2024年3月14日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)