スズキの新電動バイク「e-PO」試乗!ペダルがあっても、ちゃんと原付、走りもしっかり原付相当
ちゃんと原付一種として使える性能を有している
あらためてe-poの走りを振り返ると、ハンドリングやスタビリティについても大きな不満はない。太めのタイヤを履いていることや、フロントに機械式ディスクブレーキを奢るなど、曲がる・止まるの性能は電動アシスト自転車の域を超えている。 もちろん、すべてにおいて完璧というわけではない。特に気になったのはリヤブレーキの効きが甘く、コントロール性も狭いこと。フロント同様にディスクブレーキを採用すると、バイク的にリアブレーキを引き摺るようにして小旋回をするといった乗り方もいっそう楽しめそうだ。 そうはいっても、筆者がクローズドコースで試乗を終えると、スズキのスタッフから「楽しそうに乗っていましたね」と声がかかった。モーター駆動のスムーズさ、大きな電動アシストによる身体拡張感、そして軽量ボディによる思い通りのハンドリングなどなど、単純に二輪のモビリティとしてライディングの楽しさがあるのはe-po最大の魅力である。 排ガス規制対策の手段として排気量をアップする話が進んでいる一方、フル電動モデルも登場するなど原付一種の世界は多様になっているが、そうした選択肢のひとつとして、e-poのような電動モペッドは十分にあり! といえる。 現時点ではプロトタイプであるが、e-poは新しい電動モビリティとしての市販を期待したくなる出来映えだった。しかもスズキとパナソニックというビッグネームによる共作となれば、期待は高まるばかりだ。
スズキ e-PO主要諸元(公道走行テスト車)
【モーター・性能】 種類:直流ブラシレスモーター 定格出力:0.25kW 変速機:外装7段 【バッテリー】 種類:リチウムイオンバッテリー(パナソニックサイクルテック製NKY594B02) 容量:25.2V-16Ah 重量:約2.5kg 【寸法・重量】 全長:1531 全幅:550 全高:990 ホイールベース:1044 シート高:780~955 最低地上高:173(各mm) 車両重量:23kg タイヤサイズ:フロント18-2.125 リヤ20-2.125 レポート●山本晋也 写真●北村誠一郎 編集●上野茂岐