第91回センバツ注目選手/4 西舘昂汰投手(筑陽学園・2年) 昼食1キロ、球速25キロ増
<第91回選抜高校野球> 昨秋に急成長した右腕は、投げることに飢えている。九州大会初優勝に貢献したが、背番号は10だった。「センバツでは1番を着けたい。一番多く投げたい」と、名実ともにエースとして大舞台に臨む決意だ。 蓄えた力が花開いたのは同大会準々決勝の興南(沖縄)戦。力のある直球をテンポ良く投げ込み、スライダーの制球もさえた。延長十三回タイブレークの末、3安打完封。昨夏の甲子園に出場した相手左腕・宮城との投手戦を1-0で制した。 186センチの長身から最速144キロの速球を投げ下ろす本格派。恵まれた体格は冬場のトレーニングでさらに成長し、体重は同大会登録の73キロより10キロほど増えたという。入学時は65キロしかなかったが、昼食を1キロ分食べるなどして体を作り、球速も25キロ増した。 昨夏の南福岡大会でベンチ入りを逃して「一生懸命さが足りなかった」と奮起。昨秋は背番号1の西、同11の菅井との「3本柱」の投手陣の中で、登板9試合中6試合が救援だったが、先発した3試合は全て完投した。チーム最多の51回余りを投げ、防御率0・88は今大会出場の主力投手で3位。2003年夏以来2度目の甲子園で初勝利を目指すチームにあって、投手陣の先頭に立つ。【吉見裕都】=つづく