体の硬さと血管の硬さは関係ある?専門家に聞いた、“カチコチ血管”改善のための1分ストレッチ
しなやかで元気な血管を保つことは、健康長寿のために欠かせません。日常生活で気をつけたいこと、健康な血管維持のためにできることを2回にわたってお届けします。 ※この記事は、発売中の『からだにいいこと』2024年2月号より一部抜粋・再編集しています。
“カチコチ血管”はストレッチで柔らかくできる?
教えてくれたのは…家光素行先生 立命館大学スポーツ健康科学部教授。動脈硬化などの生活習慣病に詳しく、著書に『体がやわらかくなると血管が強くなる』(アスコム)など多数。
「血管が硬くなっても、ストレッチで何歳からでも柔らかくすることができます」と、立命館大学スポーツ健康科学部教授の家光素行先生。 「ストレッチをした直後に伸ばした部位が温かくなる感覚があると思います。それは血液が流れた証拠。血液が流れると、血管の内側の内皮細胞が血管拡張物質(一酸化窒素)を産生。すると血管の広さを調節する働きをする平滑筋がゆるみ、血管が広がって柔らかくなっていきます」 血管を柔らかくするために効率的なのは、太い血管が通る前ももとふくらはぎのストレッチ。2カ所を伸ばせば、より効率的に一酸化窒素を増やせます。 「ストレッチをするときは『休息』と『呼吸』を忘れずに。ストレッチの後は20秒ほど休息すると、血流とリンパの流れが活性化します。また、呼吸を止めると血圧が上がるので、呼吸をしながら行いましょう。血管がしなやかになって巡りが整えば、さまざまな不調が改善し、体が若返りますよ」
体の硬さは血管の硬さとも関係が
「血管の硬さ」と「体の硬さ」が正比例することが研究によって明らかに(上のグラフ参照)。血管の硬さは目視できないので、自分の状態を知るために、まずは体の硬さをチェックしてみましょう。
ストレッチで血管が柔らかくなる理由
理由1)血中の一酸化窒素が増えて血管がゆるむ 血液が流れて血管の内皮細胞が刺激を受けると、一酸化窒素を分泌。一酸化窒素は血管の広さを調節する平滑(へいかつ)筋に働きかけ、しなやかにする作用があります。 理由2)筋肉と同時に血管が伸びて血液が巡るように 筋肉を伸ばすと、伸ばした部位の血管も一緒に伸びます。ストレッチ直後から数十秒間はぐんと血流が上がり、血管も柔らかく。全身に血液が巡っていきます。 →その結果、血流が良くなり、不調の解決へ──