メルセデスAMGの「ワンマン・ワンエンジン」の職人にインタビュー「世界中のオーナーからSNSを通じてメッセージが届きます」【みどり独乙通信】
のどかな村で世界最高峰のクルマを作るということ
「このメルセデスAMGのファクトリーで職人として一人前になることが夢だった」と語ってくださった方は、ほかの自動車メーカーならば大きな工場で誰が作ったか分からないエンジンがラインに載って組み込まれるとあり、生涯を捧げる仕事としての魅力はあまり感じなかったそうです。しかしメルセデスAMGのワンマン・ワンエンジンを学生時代に知り、これこそが自分の夢の職業だと直感したとおっしゃっていました。とはいっても誰でもなれる職業ではありませんし、高い技術を要するだけに入社さえも非常に困難ですから、学生時代から夢に向かって一生懸命勉強して職業訓練に励まれ、その夢が叶った今、毎日が充実してこの選択が正しかったと実感されているそうです。 ちなみに、「ご自身が作られたエンジンが搭載されている車両を運転する機会はあるのでしょうか?」と聞いてみたところ、多くはありませんが、社内外の行事でそのような機会が設けられている場合があるそうです。ご自身のエンジンのポテンシャルを体感するのは、とても感慨深くエモーショナルなのだとか。 この職人3名のうちのおひとりは、このエンブレムをネックレスにしてご両親にプレゼントしたところ、感涙されたエピソードを語ってくださいました。それほど地元を代表するハイレベルで特別な職業だということを実感しました。 アファルターバッハは人口がわずか400名の小さな村ですが、この村で働くメルセデスAMGの方々はざっと3000名もいらっしゃるそうでビックリしました。こんなのどかな村から世界最高峰のひとつである超ハイパフォーマンスラグジュアリーカーが誕生しているなんて、想像もつかない方も多くいらっしゃるでしょうね。 この日の日本人招待ゲストは私のみだったのですが、本社前に日の丸を掲げて歓迎してくださり、本当に驚いたと同時に感動しました。たとえ国や言葉は違っても「おもてなし」の精神や心は日本だけのものではないと実感したのでした。
池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
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