“スカウトから3カ月”でスターに…韓国で社会現象を生んだ美少女シン・イェウンとは? 最新作では歌や踊りも完璧なエリート演じる<ジョンニョン:スター誕生>
10月12日にスタートした韓国ドラマ「ジョンニョン:スター誕生」。1950年代の韓国・ソウルを舞台に、田舎町に生まれた少女ユン・ジョンニョン(キム・テリ)が天性の才能でスターへの階段を上っていく本作で、主人公・ジョンニョンに負けない強烈な印象を放つキャラクターが2話から登場している。それが、ジョンニョンのライバルとして劇団で切磋琢磨していくエリート研修生ホ・ヨンソ。演じているのは、WEBドラマ「A-TEEN」(2018年)で鮮烈なデビューを果たし、「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」(2022年)のいじめっ子役で注目を浴びた26歳の美女優シン・イェウンだ。今回はイェウンのキャリアについて紹介する。(以下、出演作のネタバレを含みます) 【写真】イメージがらり!木刀を手にした凛々しい顔も美しいシン・イェウン ■歌・踊り・演技を完璧にこなす研修生の“女王様”役 <メラン国劇団>の男役スター、ムン・オッキョン(チョン・ウンチェ)に見いだされて劇団の末席になんとか滑り込んだジョンニョン。第2話で初登場するヨンソは、“才能はあるがド素人”なジョンニョンの前に立ちはだかる最初の壁だ。 イェウン扮(ふん)するヨンソは、いきなりジョンニョンも腰を抜かしそうになるほどの深みのある歌声を披露し、ジョンニョンに“演じる技術”を見せつけるシーンでは無表情から一瞬にして表情を変え、“役になりきる瞬間”を鮮やかに切り取ってみせた。ソプラノ歌手の母と姉を持つ芸能エリートだが、研修生の間では“女王様”と呼ばれていて性格は最悪。ジョンニョンが「友達になろう」と手を差し出すと、「市場で歌うような人と同じレベルだと思わないで」と蔑むような目を向けた。 ■スカウトからわずか3カ月でスターに…ASTROチャウヌは同級生 ジョンニョンですら気圧されるような強烈な個性と圧倒的な実力を持つヨンソだが、演じるイェウンも実は、ヨンソに劣らずエリート街道を歩んできた実力派だ。 1998年に生まれた彼女は、演劇俳優である祖父の舞台に幼いころから親しみ、自然と芸能の道へ。芸術高校、大学の演技芸術学科に進学して演技を学んだ。大学の同期にはASTROのチャウヌもいるという。大学在学中の2018年4月、スカウトを経てTWICEやStray Kidsも所属するJYPエンターテインメントの俳優部練習生に。すぐにオーディションでWEBドラマ「A-TEEN」の主役を勝ち取り、20歳で主演デビューを果たした。 「A-TEEN」はティーンの間で爆発的にヒットし、SNSで拡散され続編も含めて累計3億回ビューという驚異的な人気に。イェウン演じるド・ハナのアクセサリーやコスメをまねする“ド・ハナ病”という流行語が生まれ、イェウン自身も10ブランドのモデルに抜てきされるなど社会現象化。イェウンを形容する“10代のワナビー(ロールモデル)”や“WEBドラマの女神”といった称号も生まれ、彼女はスカウトからわずか3カ月でスターになった。 ■「ザ・グローリー」の強烈ないじめ加害者役で注目 「A-TEEN」で演じた美大を目指す女子高校生ド・ハナをはじめ、デビュー当時のイェウンは明るく元気で愛されるキャラクターを多く演じてきた。そんな彼女が新境地に挑んだのが、人気ドラマの続編「ユミの細胞たち2」(2022年)。ピンクのフリフリ衣装とぶりっ子なキャラクターで悪意なく男性を惑わせ、カップルの仲を危うくさせる天然小悪魔ダウンを演じた。視聴者に嫌われることを覚悟の上でこの役を演じたというイェウン。“もう出てくるなと言われたら、それほど良い演技をした証拠”と考えていたという。 さらに同年のドラマ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」では、主人公ドンウン(ソン・ヘギョ)をいじめ、復讐の対象となるヨンジン(イム・ジヨン)の高校時代を演じた。大人になったドンウンの体にも残るやけどの跡は、高校時代のヨンジンが体育館で彼女の体に押し付けたヘアアイロンでついたもの。ヨンジンの強烈な復讐心の根拠となるトラウマ級の高校時代のいじめシーンを、イェウンがいかにも憎たらしい悪意に満ちた表情で演じきった。 ■射撃選手の役作りで選手の資格証を取得 生まれたときから芸能が身近にあり、絵に描いたようなエリート街道を走ってきたイェウン。だが彼女は同時に、徹底した努力家でもある。主演ドラマ「代理リベンジ」(2022年)では射撃部のエース・チャンミを演じるため、常にダンベルを持ち歩いて腕を鍛え、暇さえあれば射撃場で訓練。そのおかげで10点満点を出せるようになり、最終的には選手の資格証も取得。用意していた代役も使わず射撃シーンをこなしたという。 「ジョンニョン:スター誕生」で演じているヨンソも、歌に踊り、演技とすべてが完璧なエリート研修生という設定。そんなヨンソを演じるため、イェウンはたゆまぬ特訓を重ねたそうで「撮影がない日もずっと練習をしていました。ほとんど毎日テリさんと会って練習しました」と明かしており、本編でテリ演じるジョンニョンが腰を抜かすのも納得の素晴らしい歌声を響かせている。 ■「他の子は端役からやっているのに、何様のつもり?」 基礎も何もなく、ただ劇団のスターに見いだされたというだけで入団を許されたように見えるジョンニョンを、ヨンソは厳しく突き放す。「あなたは演じる準備ができていない。どう歩き、どう話すべきか分からないでしょ。他の子は端役からやってるのに、何様のつもり?」と吐き捨てるヨンソがただの意地悪キャラではないことは、素晴らしい歌唱シーンを見ればよく分かる。 幼いころから芸能の訓練を積んできたエリート研修生ヨンソが、10代から演劇を学び20歳でスターになったイェウン自身にもどこか重なる。今は犬猿の仲のジョンニョンとヨンソがこれから厳しい練習に耐え、どんな絆を生み出していくのかにも期待が高まる。 「ジョンニョン:スター誕生」は、ディズニープラスのスターで毎週土・日曜に1話ずつ独占配信中(全12話)。次回は10月19日(土)に第3話、20日(日)に第4話が配信される。演技初心者にもかかわらず気迫で研究生公演の大役をもぎ取り、一方でオッキョンからは「研究生の舞台に立っている場合じゃない」と定期公演のオーディション挑戦を勧められたジョンニョンの決断が描かれる。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部