松井稼頭央が何度も「あと1本が出ない…」打率ダントツ最下位、西武ライオンズ「若手打者が育っていない問題」 打撃コーチは「難しいこと言ってないので」
若手選手が“育たなくなった”
西武は学生時代から決して有名ではなかった選手を獲得し、一流に育て上げてきた。そんな球団の伝統に沿ってレギュラーになった一人が、大学卒で現在10年目の外崎修汰である。 富士大学時代、野球の“流れ”を知らなかったという外崎は西武の選手を育て上げる土壌について、「縛りすぎないこと」と自著『マイペースでいいじゃん! 』(ベースボール・マガジン社)でその特徴を語っている。 「ライオンズのコーチは選手の理想をある程度尊重し、アドバイスやサポートしてくれるように感じます。最初から『お前はこういうタイプだから』と言われて変えるのと、自分で感じて変えるのは全然違いますよね。ライオンズには、そう感じさせてくれる環境があると思います」 まずは選手の思うように取り組ませ、それでうまくいかなければコーチが絶妙に手を差し伸べる。それが西武の伝統だったが、いつしか歯車が狂い出した。西武の球団関係者が現状をこう指摘していたのが強く印象に残っている。 「“若手野手が育たない”のではなく、“育たなくなった”んです。以前は秋山や山川、森のように強く振りにいく中でボールを見極めることが自分自身でできていたけれど、今の選手は強く振るだけになっている」 つまりアマチュア選手のスカウティング、あるいは育成に問題が生じているのではないだろうか。
今の西武打者に多い傾向
“松井ライオンズ”で象徴的だった一戦が、10安打を放ちながら2得点に終わり、2-13で敗れた5月10日の楽天戦だ。試合後、嶋重宣打撃コーチはチャンスでの弱さを嘆いた。 「去年もそうでしょ? なかなか得点圏であと1本……というのが多かったと思うんです。確かに得点圏では配球の違いもあります。けれども相手もピンチなわけで、コースか、球種か、打ちにいくゾーンをしっかり明確にする。ピンチでは、そういうパターンが相手にもいろいろ出てくるので。(今の西武には)ファーストストライクを打ちにいけない選手が多いとか、変化球のボールゾーンを振らされていることもありますからね」
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