自転車声優・野島裕史、富士ヒル記録更新を目指して愛車改良 ハンドル、サドル、クランク交換で手応え十分!
◆野島もビックリ! たった5mmの違いでも…
そしてメイン、今回最大のカスタムがクランクです。クランクというのはペダルとギアをつなぐ部分なんですが、これまでは170mmという標準的な長さのものを使っていたんです。ほとんどの人に合うサイズのですが、僕の身長と脚の長さに対しては若干長かったんですよね。とはいえ、170mm以下のサイズのクランクは市場になかなか出回っていなくて、この自転車を作った当時は仕方なく今のクランクを購入して装着したという経緯があるんです。乗っている間に体も慣れていくかなと思っていたのですが、やっぱりちょっと大きいなという違和感も抱いていました。 さらにいうと、僕は日頃からペダルを漕ぐ力“トルク”よリ、ペダルを漕ぐ回転数“ケイデンス”で登りを攻めていくタイプで、そうなるとクランクの長さが大事なんじゃないかと思っていたのですが、これまた10年以上前のパーツで、もともと市場に少ないだけになかなか出会えなかったんです。ですが、幸運なことに中古自転車ショップで状態のいい中古の165mm、これまで使っていたものと同じブランドCampagnolo(カンパニョーロ)の10年前のクランクを見つけ、「これはレアだ!」と思ってすぐに買っちゃいました。 レアなパーツを見つけるとやってしまうことがあるんですよね。今回も(購入後)数日間、そのクランクを手に持ちながらお酒を飲んでしまいました(笑)。「これはなかなか手に入らないものなんだよな~」とか言いながらニヤニヤと(クランクを)見つめ、ビールやワインを飲んだりしていたわけなんですが、「このパーツはそっちじゃない。『富士ヒル』とかレースに使うために買ったんだ!」と心を入れ直し、自分でクランク交換に初挑戦しました。 古いクランクを外すのはネジがさびかけていたのこともあって、少し手間取いましたが、取ってしまえば意外と簡単でしたね。そして、クランクを取った状態の自転車を見ることもなかなかないので、とてもいい経験でした。でも、クランクを外してみると、それを支えているボトムブラケット、BBと呼ばれる部分と接触する大事な駆動部分、ベアリングになんとサビがあってボロボロな状態でした。 普段、自転車を漕いでいて「ちょっとゴリッとするな」とは思っていたんですが、実際にその部分を見てみるとかなりガリガリと回っている状態だったので、これはクランクを交換してよかったなと改めて思いました。もちろんクランクを外してしっかりと洗浄し、グリスもたっぷりと塗ってから新しいベアリングを装着し、クランクをセットしました。普段はあまり見えない部分なので、サビを見つけただけでも交換してよかったなと思いましたね。 そして、その自転車に実際に乗ってみると、クランクを170mmから165mm、たった5mmしか変わらないんですけど、漕いだ感じがめちゃくちゃフィットしました。なんでもっと早く交換しなかったのかって思うくらい体にフィットしました。普段からこの番組で「自転車のサイズは大事!」とか言っていますが、たった5mmでも違うんだと改めて感じました。 ぶっちゃけ、ネットなどで調べてみると「ヒルクライムは長めのクランクのほうが、トルクが効いていい」という説もあるんですけど、個人的には短くしたほうが脚が回りやすくて、体のブレも少なくなって圧倒的によくなりました。 自転車も万全、体も万全ということで、これだけ条件が揃えば、この放送の頃には僕は「富士ヒル」で90分を切り、おいしいお酒を飲んでいるんだろうなあ……。それは後日わかりますが。 (TOKYO FM「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」2024年6月9日(日)放送より)