バズり連発の気象予報士・アバンギャルド河津に聞いた! 2024年の猛暑対策と天気予報の「活用方法」
■「雨の時に傘差すじゃん、暑さが降ってきてる時も傘差そうよ」 ――今年の実際の天気についてもお聞きしたいんですが、すでに今年の夏はかなりの猛暑です。今後はどうなっていくのでしょう? 河津 毎年暑いですけど、今年もかなり暑いです。7月は月末にかけて一度暑さのピークが訪れて、東京でも35度以上の猛暑日が続くと思います。耐えられる気がしないですよね(笑)。 8月以降は台風の動向次第ではあるんですが、やはり基本はかなり暑いだろうなという予想です。太平洋高気圧の勢力が強いという予想が出ていて、これに覆われるほど晴れて暑くなります。8月は例年に漏れず、かなり暑いと思います。 ――気象予報士さんオススメの猛暑対策はありますか? 「ハンディファンはあまり意味がない」といった話も聞きます。 河津 そうみたいですね。空調服を着る人も出てきていますけど、そのもうひとつ手前の話として、まず日傘をオススメしたいですね。だって日陰に入ると涼しいじゃないですか。弊社でコラボしている日傘のキャッチコピーが「日陰を持ち歩く」なんですけど、日傘はまさに「自分で日陰を作り出せる」んです。 最近は男性の使用率も増えてきましたけど、おそらくまだ半数以下ですよね。でも晴雨兼用のものもあるし、デザインも男性が無難に使えるものが多い。「雨の時に傘差すじゃん、暑さが降ってきてる時も傘差そうよ」という感覚で使うといいと思います。全然違いますよ。 ――天気予報を見る際に気を付けることはありますか? 河津 今の季節、テレビでもよく言われる「大気の状態が不安定」というワードがありますけど、そういう時はにわか雨やゲリラ豪雨が起こりやすい。でも、その予想をピンポイントで当てるのはかなり難しいんです。 「関東のどこかで雨が降る」という予報はかなりの確率で当たるんですけど、「東京23区で降るかどうか」となると外れる時も多い。そういう時は本当に予報が難しい時なので、悪めに考えてもらった方がいいですね。 あとは台風の予報円。実はかなり頻繁に変化していて、直撃するにしても台風のどの部分が当たるかによって天候への影響の度合いも違います。そういう時は天気予報で必ず「最新の情報にお気を付けください」と言っていますので、数日前の予報などは当てにせず、1日2回くらいは天気予報をチェックしていただきたいですね。 ――最後に余談ですが、天気にまつわる迷信ってたくさんありますけど、ああいうのに根拠はあるんですか? 河津 一番スタンダードな迷信で言うと、「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」というのがありますけど、それはやはり天気は西から東に変わってくることに由来しています。夕方に西が晴れていると翌日は晴れやすい。朝、東の空が晴れていると、だんだんと曇ってきやすいということですね。 他にも「ツバメが低く飛ぶと雨」というのは、湿度が高いと昆虫は低いところを飛ぶので、それを狙うツバメも低く飛ぶとか、「ネコが顔を洗うと雨」というのも、湿気が多くなるとネコのヒゲが湿ってくるらしく、迷信って実はある程度、信憑性が高いものが多いんです。 「観天望気」という言葉がありますが、空や自然をいろいろ眺めたりすることで天気を予測するということは昔からありました。私のXもそうですが、いろんなところから天気に興味を持っていただけたら嬉しいですね。 *** ●河津真人(かわづまこと) 1983年生まれ。ウェザーマップ所属の気象予報士。TBS『あさチャン!』、NHK『あさイチ』などメディア出演経験多数。Xでは「アバンギャルド河津」としてユーモアを交えた気象情報を投稿し、たびたび話題になっている X: 取材・文/酒井優考 撮影/山添 太