バズり連発の気象予報士・アバンギャルド河津に聞いた! 2024年の猛暑対策と天気予報の「活用方法」
――中にはマンガやアニメのパロディー的な投稿もありますよね。 河津 使い始めた当時のTwitterは、まだ「ネットに強い人」たちばかりが多く使うツールだったので、そういう人たちが好きそうなマンガやアニメのセリフのパロディーをすることで、普段天気に興味がない人にも興味を持ってもらおうと思って使い始めました。 あとはギャップもありますよね、「気象予報士なのにそんなこと言うんだ!」みたいな。それによって、結果的に注意喚起ができればいいかなって思っています。 ――集英社のマンガのセリフも結構登場します。 河津 『ドラゴンボール』とか『BLEACH』などは名言が多いからつい使っちゃうんですよね(笑)。「もうちっとだけ続くんじゃ」とか「変身をあと2回も残している」とか、「なん...だと...」とか。こちらも気付いてほしくてやっているので、リプライで気付いてもらえるとやっぱり嬉しいですね。 あと、これはジャンプ系ではないんですが、先日、7月の平均気温が高すぎて「人類に逃げ場なし」と投稿したんです。実は『スポロボα』(プレイステーション用ソフト『スーパーロボット対戦α』)のパッケージに書かれているキャッチコピーなんですけど、そういうのでもやっぱり一人ぐらいは気付いてくれる。それも皆まで言わずに画像だけが貼られたリプライが来るんです(笑)。 ――毎日占いのような天気予報のポストをされているのは? 河津 ただの天気予報だけで終わるのももったいない気がしていて、朝の情報番組を参考に、天気予報だけじゃなくより総合的に、かつ人を元気付けるような一言を言おうと思って占いの形式を取り入れています。別に占いの内容に根拠があるわけではないんですけど(笑)、実はラッキーカラーは天気と連動させています。 でも、「頑張りましょう」とかそこまで前向きなことは言いたくなくて、「辛い時は無理しないでね」とか「休める時は休もう」みたいな、ゆるいスタイルを心がけています。 ――Xでは頻繁にバズっていますが、バズればバズるほど河津さんが儲かるわけではないですよね? そもそも河津さんの本業は? 河津 そんなことは全然ないです(笑)。会社からやれと言われてるわけでもなくて、仕事ではあるんですけど趣味でもあって、やりたいからやってるだけなんです。 本業としては、ウェザーマップという天気予報の会社に在籍していて、以前はテレビにも出演していたんですが、今は予報自体はあまりしていなくて、主に民間企業や自治体の方に向けて「ピンポイント予報」をお届けする、その営業活動をしています。でも、元々テレビに出る気象予報士として会社に入ったというのもあり、あの頃のカンを忘れないように今はSNSを続けています。 ――「前衛的な天気さん」とコンビの相方として向き合うのはいかがですか? 河津 面白いですよ。天気予報を始めて約15年になるんですけど、15年前よりも明らかに情報が増えて、ニュースで扱われることも多くなりました。天気自体も、やっぱり2020年代入ってからは特に気温が高くなっていて、最高気温で40度も普通に出るようになってしまった。そういう意味でもツッコミどころは多いですし、驚かされることも多いので、Xでは実際に驚いた時に思ったことをそのまま書くこともあります。 先日は「耐えられる気がしない」っていうポストをしたんですけど、これも思ったことをそのまま投稿しています。「猛暑日になります」「熱中症にご注意ください」といった紋切り型のポストよりもやっぱり多くの共感を呼ぶんですよね。