大学ラグビーV6帝京の次なる目標は社会人撃破!
文句なしに「前人未踏」と謳われ、3季目の冬である。帝京大ラグビー部が、大学選手権6連覇を達成した。 10日、東京は味の素スタジアム。相手スクラムをめくり上げて奪った前半7分の先制点に始まり、強烈なタックルなどでの攻守逆転からもスコアを奪った。50-7。筑波大を相手に、決勝戦最多得点記録を更新しての勝利である。 しかし、かねてからこのクラブは公言してきた。目標はその先にある、と。スクラムハーフ流大主将は、所属の関東大学対抗戦Aの只中からこの調子だった。 「最初からトップリーグと戦うことを目標に掲げているので、そこのレベルでプレーしたいとは思います」 シーズンを締めくくる日本選手権で、国内最高峰のトップリーグのチームを倒しにかかる。 「来季は打倒トップリーグ」 岩出雅之監督が公言したのは、大学ラグビーの世界で4連覇を達成した後だった。自軍の充実ぶりを確信したのだろう。根本的には学生と社会人との対戦を「ミスマッチ」と捉えている指揮官だが、近年はこの論旨を強調する。同じカテゴリーで敵なし、といった趣だ。 「トップリーグに勝つには、そこに追いつき、追い越さないといけない。そういう、ほとんどの選手が実際にトップリーグに入ってから学ぶことを、いまから知っておく。そうなれば、少なくとも他大学の選手より高い目標設定ができるのではないか、と」 昨年度は、トヨタ自動車に13-38で屈した(2014年2月16日/東京・秩父宮ラグビー場)。プレーの起点であるセットプレー(スクラムとラインアウト)でやや後手を踏み、その他の攻防でも判断の瑕疵で流れを失った。もっとも、1対1と肉弾戦は概ね互角とあって、学生たちは悔しがっていた。そのさまを見て、岩出監督は「(来年以降=今季は)面白くなってきた」と笑ったものだ。 トップリーグ勢に勝つために、何をしているのか。 流主将は口にする。 「まずはフォワード(おもに身体をぶつけ合う役割)のセットプレー。そして、フォワードとバックス(おもに球を動かす役割)を問わず接点の部分、全員が速い判断をすること」