ケニアの巨大スラム街キベラから学んだ新たな価値観と助け合いの姿勢。「SHIFT80」代表・坂田 ミギーさんに聞く
── 旅を通じて得られた新たな価値観はありますか? 私は旅に出るまで、流行りの服を着るべきだとか、女性は結婚して子どもを持つことが幸せだという、その当時でいう「世間の一般的な価値観」に縛られていたなと思います。でも、世界にはまったく違う価値観で幸せに生きている人々がたくさんいることを知り、とても心が楽になりましたね。 キベラで出会った仲間の一人が、「毎朝起きたら幸せだと思う」と言っていたんです。「今日も一日頑張れば、明日はもっと良くなると思う。生きていれば色んな希望がある」と。私はそれを聞いて、彼らの考え方をすごく尊敬しました。生きていれば色んな悩みがありますが、「生きていること自体が幸せだ」ということをベースに生きることが大切だと気づけましたし、そう感じられる自分になりたいと思いました。
── 世界を旅してこられた坂田さんにとって、生きやすい世の中とはどんなものでしょうか? キベラを訪れた際に、食料支援活動として、家族で一週間暮らせる分の食料を提供していたのですが、彼らはそれを食料支援を受けられなかった人たちと分け合うんです。彼らが「周りを助けたら、今度は自分が困っている時に周りの人が助けてくれる。お互い様だよ」と話していたのがすごく心に残っています。 たとえ食料やお金を持っていなくても、やさしさや力、時間なども分かち合うことができるキベラの人々。自分ができることで、自然と周りの人を助けられるのは素敵ですよね。それぞれが持っているものでお互いを補い、分かち合える社会になっていくといいなと思っています。 後編(https://sdgs.yahoo.co.jp/featured/493.html)では、アパレルブランド「SHIFT80」の立ち上げの経緯やその想いについてご紹介します。
坂田 ミギー(サカタ ミギー) 広告制作会社、株式会社博報堂ケトルを経て、株式会社こたつを設立。31歳で世界一周の旅へ出発し、帰国後はTVCMやデジタル、PRなどの広告企画制作を続ける傍ら、アフリカの孤児・貧困児童と女性へのサポートを目的としたエシカルファッションブランド「SHIFT 80」を立ち上げる。現在はアパレル製作をはじめ、旅やキャリアに関するエッセイ執筆のほか、キャンピングカーをモバイルオフィス兼自宅として、日本各地を旅しながら働くというスタイルを実践するなど、活躍の幅を広げている。 (https://www.instagram.com/migimagari/)