【解説】17年ぶりの利上げ!マイナス金利解除で、暮らしへの影響は?今後の金融政策は?
■金融政策はシンプルに
――実に17年ぶりの利上げですが、今回の政策変更はどういう意味合いがありますか? マイナス金利は日本だけになっていたのですが、これはお金を預ける方がお金を払うという普通に考えても「特殊な金融緩和」でした。これが今回の決定で「普通の金融緩和」に変わります。大規模な緩和を続けるために、いろいろやって複雑になっていたのを、もうやめてシンプルな金融政策にします。 マイナス金利は解除、長短金利操作は撤廃し、大規模な資産の買い入れに関しては、ETF(上場投資信託)と不動産投資信託の買い入れは、はっきりやめます。国債の買い入れは継続して買うとは言っているんですけれども、方向性としては縮小すると会見で話しました。その結果、金融政策はシンプルに短期金利に一本化していくという大きな変化です。
■私たちの生活への影響
――やはりまず1番気になるのは私たちの生活や、企業等への影響ですが、住宅ローン等はどうなっていくんですか? はい、気になる住宅ローンは、今回のマイナス金利の解除だけでは影響はあまり出ないとみられます。ただ、変動金利は金融機関の判断次第となります。大事なのは、この先どうなるかです。今までの「金利がない世界」から「金利がある世界」に変わるので、特にこの先ローンを組む人は、よく考える必要があります。 預金は、いきなりすごい金利がつくようになるわけではないんですが、今、記者会見見てる最中にも、メガバンクが預金の金利を引き上げるという話が入ってきました。金利引き上げの方向がはっきりしたので、金融機関はキャンペーンなどもしていて、上げる方向にはなると思います。 これから「金利のある世界」の中で、自分の資産をどうするか、考える局面にきました。この先、金利をどんどん上げるかどうか、そのペースが大事になってきます。それによっては生活に影響がでてきます。
■金利アップのメリット・デメリット
――金利がどんどん上がる場合、メリット・デメリットはどんなところですか? まず、メリットは預金などに金利がついてきます。19日は円安になってしまったんですが、利上げで円安が収まれば、輸入物価などから物価高が抑制されます。デメリットは、住宅ローンや企業の借り入れの金利があがり、苦しくなります。企業の淘汰もあるのは当然ということもできます。それから、円高になれば、ですが、輸出企業には悪い影響もでてきそうです。