ベトナムのファム・ミン・チン首相は５日の７月定例閣議で、2024年通年の実質国内総生産（ＧＤＰ）成長率目標の約７％を達成するために、８月以降は前月までよりもさらに経済を活性化させる必要性を強調した。政府公式サイトが同日伝えた。 　チン氏は７月の社会・経済状況について振り返り、同月には民間企業の地域別最低賃金が平均６％、公務員の基礎賃金が30％一斉に引き上げられたことを説明。公務員給与は過去最高の引き上げ幅でインフレが懸念されていたが、同月の物価上昇率は前月比0.48％と想定よりも低水準で「インフレは抑制できた」との見方を示した。 　８月以降については、「前月や前四半期、前年よりも高い目標を目指す」として、マクロ経済の安定化やインフレ抑制、国の収支の黒字拡大を目標に掲げた。一方で、世界の金融・通貨・不動産市場が不安定なことや、原油・食料価格の上昇によるインフレ圧力が依然として強いこと、国内では与信や不動産市場の回復が遅れていることなどを課題に挙げた。 　チン氏は課題解決に向けて、政府幹部らが明確な方針を掲げることや、柔軟かつ迅速な金融政策を実施して為替レートの安定に努めること、与信残高の通年伸び率を15％とするよう優先分野に焦点を当てて融資を促進すること、伝統的な成長産業と新興の成長産業への投資を強化することなどを指示した。