<島津冴子>「らんま1/2」インタビュー(2) “1989年版”アニメ、キャラソン収録秘話 「みんなが楽しみながら頑張っていた」
「小太刀に『森へ行きましょう』を持ってくるセンスがすごいなと思いました。むしろ『バレンタインに黒バラを』(小太刀のキャラソン)の方が王道だと思います。なびきのお年玉の歌(『この世でいちばん、お正月が好き』)も『おとーさんから5千円』みたいな歌詞で、あんなキャラソンってなかなかないでしょ? キャラソンの収録の時は、須賀さんの『こういうふうに作るんだ』と思っていたラインを全キャストがそれぞれ超えていたと思います。期待の上を行く戦いですね! 『らんま1/2』のキャラソンは、気分が落ち込んだ時に聴いたら、吹き飛ばせるでしょ? 今もどんどん聴いてもらえたらうれしいですよね」
◇「らんま1/2」は楽しい作品 “1989年版”も新作も「パワフル」
長きにわたり多くの人の心を引きつけてやまない「らんま1/2」の普遍的な魅力は、“完全新作的アニメ”にも引き継がれている。新作では、早乙女乱馬役の山口勝平さん、らんま役の林原めぐみさん、天道あかね役の日髙のり子さんら声優陣が続投する中、九能帯刀役の杉田智和さん、小乃東風役の森川智之さんらが新キャストとして参加する。島津さんが演じた九能小太刀は、佐倉綾音さんが演じる。改めて島津さんに「らんま1/2」の魅力を聞いた。
「新作アニメのPVを見た時に、『うわー、楽しい!』って思いました。テンションが高いところだけでなく、家でご飯を食べているような普通のシーンも含めて、とっても楽しい作品だなって。新作も“1989年版”と同じようにパワフルになるでしょう。原作の魅力を表現しようと思ったら、パワフルになっていくのです。その中でシリアスになる部分と、バーンと弾ける時と、緩急がある。その差も楽しみだなと思っています」
“1989年版”の九能帯刀役の鈴置洋孝さん、久遠寺右京役の鶴ひろみさん、八宝斉役の永井一郎さん、コロン役の麻生美代子さんへの思いも語る。
「鈴置さんも鶴ちゃんもいなくなってしまったからとても寂しいんですけど、彼女たちが楽しみながら頑張っていたんだよ、ということを皆さんが覚えていてくださるとうれしいです。本当にすてきなお二人でした。鈴置さんの台本って、何一つ書いてないんですよ。全部頭の中に入れてらっしゃるの。すごい方でした。永井さんと麻生さんは、あの頃から私たちにとっては大大先輩で、その大先輩としての演技の幅も、新人に負けないパワフルさも、すごかったなって。お二人のキャラソンもありましたよね(『魅惑のリンボーダンス』)。ファンの皆さんに、アニメはすごかったし、キャストもすごかったと言っていただいて、とてもありがたいです。それに、キャラソンをプロデュースしてくださった須賀さんもすごかったんだよって。そういうことを皆さんが覚えてくださっているとうれしいです」
島津さんは、「らんま1/2」を「楽しい作品」、小太刀を「本当に楽しくて愛おしいキャラでした」と語る。新作で小太刀を演じる佐倉さんが収録の際に「先輩たちに負けない大きい声で精いっぱい高笑いしようという思いで臨みました」と話していたことを伝えると「頑張れ!」とエールを送り、「私たちが出演していた作品を見てきた世代の方たちが、どういうふうに演じていくのか、とても楽しみです」と語っていた。