松山英樹のクラブのこだわりを100%サポート! アメリカで"ツアーレップ"として活躍する宮野敏一さんに「一週間の仕事」を聞いた
普通のレップは水曜午後に帰るが……
「アメリカのツアーレップの1週間は、日曜日に試合会場に移動することから始まります。ただアメリカはとてつもなく広く、時差もあります、僕が住んでいる西海岸のロサンゼルスを朝8時に出ても、東海岸のニューヨークやフロリダに着く頃には夜中になってしまうので、移動が大きな仕事です。 月、火は練習日。前の週からの課題をクリアしたり、その週のコースへの対策をします。通常は朝7時から夕方5時くらいまで。やはりトレーラー(ツアーバン)というクラブを調整する場所があり、自分たちがそこに1日中いることで選手に安心感を与えられるので、いることが大事なんです。 水曜日の午後にはトレーラーは次の試合会場へ向かって走り始めます。なのでクラブ調整をするのは水曜の午前中まで。水曜の夜には家に帰って、木曜はオフィスに出社しデスクワークや翌週の準備。金、土が休みで日曜に移動というのが普通のツアーレップの一週間。 自分の場合は松山プロが主軸になるので、月、火は7時過ぎにはバスにいて松山プロがいつ来ても大丈夫なように準備をしています。水曜日はプロアマなので午前中の作業が終わると他のレップは帰りますが、自分はプロアマを最後まで見て、翌木曜の初日のプレーも見てから帰ります。練習で準備をしているときと試合本番ではやっぱり違うからです。コースと風を考えてアドレスを見れば『こういう球を打ちたいのだろうな』というのは想像できるので、それに対してどう打てているかを見るんです。いいスウィングができているのに球を操れていないときもあれば、本人は満足そうでもズレていることもあります。その原因を想像しながら帰るんです」
本当はメジャーの前週までに終わらせたい
「松山プロはコースのなかで新しいクラブを打ってテストすることが多いのですが、ブルックスはコースに出たらコースのスウィングをするので、テストはレンジでやりたいというタイプ。人によって全然違いますね。選手から具体的なオーダーをもらった場合は、オーダー通りになるべく早く仕上げることが重要ですが、そうじゃない場合は本当にピンキリ。シャフトを替えることもあれば、ただグリップを挿し直すことも。まったく同じ物で同じことをしても、やり直すことで感覚が変わることがあるからです。 松山プロには頼まれていなくても自分から勝手に『こんなのがあったらどうかな?』と、どんどん提案しています。松山プロが1から10まで突き詰めるとすれば、ブルックスは6くらいまで。『ここからはやらなくていい。突き詰める作業をするならスペアを1本作ってほしい』という感じです。 クラブ以外のサポートも自分たちの仕事。たとえばグローブなど消耗品の発注や、ウェアなどのフィードバック。毎週、コースが変われば気温や湿度も違います。汗のまとわりつき方など、現場でプロに試着してもらった動画を会社に送ったりするんです」
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