松山英樹のクラブのこだわりを100%サポート! アメリカで"ツアーレップ"として活躍する宮野敏一さんに「一週間の仕事」を聞いた
いつの間にか松山英樹にたどり着いていた
「その後、男子ツアーの担当になったのですが、やっぱり『旅』は続けたい。そこで自分が興味のある選手にクラブを通して接していったんです。たとえば池田勇太プロや宮里優作プロにも使ってもらおうとしました。それを続けていたら松山英樹プロにたどり着きました。2016年、狭山GCで開かれた日本オープンです。『うちの3Wを試したいらしいから対応してくれ』と会社から連絡が入ったんです。それで試合会場であいさつに行ったのが最初の出会いでした。 自分のなかではゴルフといえばやっぱりアメリカで、丸山茂樹プロなどのPGAツアーで活躍する選手が本当のトッププロ。自分も出張でPGAツアーに行ったことはありましたが、それだといつもお客さんという感じ。松山プロにうちのドライバーを使ってもらおうと思ってアメリカに行くたびに、アメリカで腰を据えてゴルフに向き合ってみたいな、向こうの景色を『お邪魔します』ではなく見てみたいな、という思いが募っていったんです。そうするうちにタイミングというかご縁があって、2020年1月にダンロップに転職したんです。松山プロの存在はもちろんですが、アメリカのツアーレップというポジションにすごく興味があったのと、日本人がアメリカでどこまでやれるのか試してみたかったんです。 早くも5年目に入りましたが、まだまだ知らないことがいっぱいあってすごく面白いですね。松山プロ以外にもブルックス(・ケプカ)とも仕事をさせてもらってますし、彼のクラブを触るポジションから見ると、また違う世界も見えてくる。最近ではクラブ契約フリーのアダム・スコットもアイアン(スリクソンZX7 MkⅡ)を使ってくれています。もちろん松山プロの存在はとてつもなく大きいのですが、『一流選手とはどういう人たちなのか?』という僕の旅はまだまだ続いているんです。旅のゴールですか? う~ん、最後は日本で、日本のゴルファーを増やすような仕事ができればいいなと思っています。自分が知ったこととかを伝えることで日本のゴルフに役立てばいいなと。そのために今はまだインプットの段階なんです。もちろん失敗もあります。ここで言えないくらい大変だったことも(笑)。選手のエースアイアンを折ってしまったときは頭が真っ白になりました。ライ角をフラットにしようとしていたのですが、ひたすら謝るしかありませんでした。とにかく謝って直しました。実は2人くらいやってます」