池江璃花子選手、再びオリンピックの舞台へ…影で支えたスポーツメーカーの熱き思い
今回のテーマは、「パリで勝つ!~復活へ!日の丸スポーツメーカー~」。アスリートに寄り添い、最新技術で記録を支える日本企業の闘いに、番組のカメラが独占密着した。 【動画】アスリートに寄り添い、最新技術で記録を支える日本企業の闘い
復活を支える”日の丸水着”開発の舞台裏
3月18日、「東京アクアティクスセンター」(東京・江東区)。競泳「パリ五輪」の代表を決める大会が行われ、100メートルバタフライの決勝には、池江璃花子選手の姿が。 池江選手の水着の開発責任者である「ミズノ」の大竹健司さんは、緊張の面持ちでレースを見守る。 パリへの切符をかけた決戦の舞台…。池江選手は50mをトップで折り返すも、最後は大接戦。惜しくも優勝は逃したが、3位をわずか0.01秒上回り、パリの代表に内定した。
「ミズノ」は、2015年から池江選手に水着を提供し、競技生活を支えてきた。 「東京五輪」でメダルを目指す池江選手の水着の開発を任されたのが、大竹さん。しかしその後、池江選手は白血病を公表し、闘病生活を余儀なくされた。 奇跡の復活を遂げた池江選手…「東京五輪」ではリレー種目に出場し、大舞台へと舞い戻ってきた。大竹さんは大会直後から「パリ五輪」に向けた開発を始め、試作品を何度も作り、池江選手に試してもらっていた。
滋賀・大津市にある、「東レ 瀬田工場」。「ミズノ」は3年半前から、池江選手が着る水着の新素材を、「東レ」と共同開発してきた。 「パリ五輪」用に開発したナノデザインの糸を使った新素材は、一見すると普通の黒い生地だが、水滴を垂らして従来のものと比較すると、生地の上にのせた水滴が勢いよく転がり落ちる。水を弾いているためだ。 糸に秘密があり、特殊な加工で溝を作ることで、これまでより撥水性が高まるという。 こちらは、新素材を30分ほど水中に入れたもので、約6パーセント軽量性が高まるという。「ミズノ」の素材担当・田中啓之さんは、「撥水を高めると、水着の生地が水の中に入った時にすごく軽くなる。選手からすると、“着ていない”ような軽く感じる水着」と話す。