新たな“映えスポット”誕生。ホンダF1の名車が集結した『Honda Racing Gallery』が鈴鹿サーキットに4月5日オープン……「思わずレンズを向けたくなる」工夫も
2024年のF1日本GPの開幕と時を同じくして、鈴鹿サーキット内に新たな施設がオープンする。それが『Honda Racing Gallery(ホンダ・レーシング・ギャラリー)』だ。 【写真】ホンダ・レーシング・ギャラリー:フォトギャラリー このホンダ・レーシング・ギャラリーは、2023年まで営業されていた『レーシングシアター』をリニューアルする形で、4月5日(金)にオープンする施設。1960年代からコンストラクター、エンジン/PUサプライヤーとしてF1に参戦するホンダの象徴的なマシンが多数展示されている。 ホンダはこれまで、モビリティリゾートもてぎにあるコレクションホールや、東京・青山の本社屋にあるホンダウエルカムプラザ青山などでF1マシンの展示を行なってきたが、そういったマシンを鈴鹿でも見て欲しいとの思いからこのギャラリーが作られたという。 鈴鹿でも見て欲しい……そう考えたのは何故か? ホンダ・レーシング・ギャラリーのプロジェクトを率いた本田技研工業コーポレート戦略本部の稲野貴文氏に聞くと、「鈴鹿サーキットそのものに、ホンダとして非常に由縁があるということもあります。さらに展示されていたマシンに乗られていた方々も鈴鹿を愛されていた……そういった背景からも、ホンダのブランド発進拠点としてこの展示施設を作りました」とのことだった。 ギャラリーのエントランスで出迎えるのは、1989年のマクラーレンMP4/5。そこから1階フロアの通路を歩いていくと、広々とした空間に多くのマシン、エンジン(PU含む)が展示されている。 1階は、“勝利”を収めたマシンたちが揃っている。往年のマクラーレン・ホンダや、2021年にマックス・フェルスタッペンのチャンピオン獲得を後押ししたレッドブル・ホンダをはじめ、ジェンソン・バトンが2006年のハンガリーGPで勝ち表彰式で君が代を流したマシンで知られるホンダRA106、ピエール・ガスリーが2020年のイタリアGPを制したアルファタウリAT01なども展示されている。 地下1階フロアは企画展エリアということで、まずは日本人ドライバーの活躍にフォーカスした展示が6月中旬まで行なわれるという。中嶋悟がドライブしたロータス100T、佐藤琢磨の激闘が多くのファンの心に刻まれているスーパーアグリSA07、そして角田裕毅のデビューマシンであるアルファタウリAT02の3台が鎮座している。 ギャラリー全体の印象としては、車両周辺以外は薄暗くなっており、マシンのシルエットがより際立つように演出されている。いわゆる“映え”も意識されているように感じられるが、これについて前出の稲野氏は「(車両の周囲を)真っ暗にしてしまってノイズをなくすことによって、ビビッドなF1マシンの色をしっかりと見てもらいたい」と説明し、さらにこう続けた。 「この施設は立地柄、F1やモータースポーツに詳しい方が多くいらっしゃるかと思いますが、やはりブランド発信拠点として“ホンダ”という体験をなるべく多くの人にしていただきたいです」 「モータースポーツファンの方が例えば家族や恋人を連れてきた時に、その人たちも飽きずに見られて、『ホンダって素敵』だと思っていただけるようにしないといけない。だからこそ、どんな人でもスマホを取り出して『これ映えるじゃん』といった感じで写真を撮りたくなるような施設にするというのが大きな狙いでした」 F1のレースウィークにオープンとなるホンダ・レーシング・ギャラリーだが、グランプリ期間中は1階エリアのみ観覧に事前予約が必要となっている(日本GPの観戦券があれば、観覧無料)。
戎井健一郎