アイスホッケー新リーグが始動 新たなファン獲得の試み
来年5月に開幕するアイスホッケーの新リーグ「IJリーグ」が動きだした。 準備の年という位置付けの「イノーギュラルシーズン」初戦が15日、名古屋市で行われ、東京ワイルズが名古屋オルクスを3―2で下した。 試合前は暗転した場内に光を使った演出が施された。チアリーダーが盛り上げ、満員の約650人が訪れた会場は熱気を帯びた。山田謙治チェアマンは「第一歩としては成功」とほっとした様子。今季は北京のチームも含めた3チームで、秋まで各地を転戦する。 リーグの特色は、仕事と競技を両立させる「デュアルキャリア」の推進。リーグ所属チームの拠点は東京、名古屋などの大都市にあって求人が多く、スポンサーも得やすい。競技が根付いていない地域で、本来はアイスホッケーのオフシーズンに当たる夏から秋に試合を開催することで、新たなファンを獲得できる可能性がある。 チェアマンによると、アジアリーグのチームは運営に年間2億円以上かかる。注目度が低い現実を踏まえると、その3分の1から4分の1程度に抑える必要があるという。 東京ワイルズはアジアリーグを脱退したひがし北海道クレインズの元選手らで構成される。日本アイスホッケー連盟は「日本におけるトップリーグは、アジアリーグのみ」との見解で、たもとを分かつ形でIJリーグは走りだしたが、チェアマンは「摩擦は重々承知の上。それでも前に進みださないと何も変わらない」と覚悟を示す。名古屋オルクスの佐藤育也主将は「第一にチームが強くなること。成長する姿を見せれば、素晴らしいスポーツなので盛り上がっていく」と期待を込めた。