トヨタチーム首脳、「彼がミスをしたのは難所」とデイリタイアの勝田貴元を擁護。明日再出走へ/WRCフィンランド
8月2日(金)、WRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』のデイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)から5台のトヨタGRヤリス・ラリー1が出走。 【写真】デイ3からの再出走で挽回を目指す勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) SS10終了時点では、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合首位、2番手にエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、3番手にセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)がつける好調な蹴り出しとなっている。 日本人ラリードライバーの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、SS5でのクラッシュによるデイリタイアで大会2日目を終え、スポット参戦のサミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組(5号車)は総合6番手につけた。 1日(木)に、ユバスキュラ市街地でのスーパーSSで戦いの火蓋が切って落とされた『ラリー・フィンランド』は、2日(金)の朝から森林地帯で本格的な戦いがスタートした。 合計116.33kmとなる9本のスペシャルステージ(SS)が行なわれたデイ2は、朝から断続的な雨に見舞われ、路面は全体的に湿り気を帯び、大きな水溜まりができた区間もあった。また、午後の再走ステージでは荒れていたり、深い轍が形成された区間も見られている。 デイ2でトップ3を独占した3組は、ロバンペラが4本、エバンスが2本、オジエが1本のステージウインをあげる速さを披露。SS2のミスでペースを削がれたパヤリも、ミッドデイサービスを経た午後にはペースを上げてSS9で初のステージウインをあげている。 一方、午前中時点で総合4番手につけていた勝田は、シェイクダウンと同じ区間を走るSS5『ルイヒマキ』の中低速コーナーでリヤのグリップを失い、アウト側の木にヒット。 右リヤにダメージを負いながらも完走したが、ミッドデイサービスへと向かうロードセクションで走行不能となり、惜しくもデイリタイアとなった。チームはその後勝田のクルマを回収し、サービスで修理。明日のデイ3に再出走する予定だ。 デイ2を終えた勝田は、「ミスをしたのはとても滑りやすいコーナーで、少しラインがワイドになってしまい、リヤが流れて外側の木に当たってしまいました。何とかクルマをサービスに戻そうと試みたのですが、残念ながらホイールを固定することができず止まるしかありませんでした」とチームのリリースで状況を明かしている。 さらに、今回チームの指揮を執っているカイ・リンドストロームスポーティング・ディレクターは、「今日、唯一残念だったのは(勝田)貴元が午前中の最後に止まらざるを得なかったことだ」と口にしている。 「彼がミスをした場所は難所だった。我々のメカニックたちは彼のクルマを修理し、明日、貴元は再出走することができると思う」とし、計3台のラリー1がリタイアとなったデイ2の難しさをコメントした。 大会も折り返しを迎え、土曜日時点での暫定ポイントが決まるデイ3は、復活の『オウニンポウヤ』を含むSS11からSS16までの全6本が予定されている。全ステージの総走行距離は144.22km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は580.14kmだ。 [オートスポーツweb 2024年08月03日]