ひとり親家庭の移住受け入れへ「お試しツアー」 長野・青木村が試み
村内への移住促進に取り組む長野県青木村が、首都圏の「ひとり親家庭」の移住受け入れのため長野県とともに都内でのセミナーや村への「お試しツアー」のモデル事業を実施しました。人口減少の自治体では移住対策が盛んですが、母子、父子家庭に絞っての誘致は島根県浜田市などとともに珍しい試み。長野県は10月18日に市町村にモデル事業の結果を説明。関心を示す自治体も出てきました。 【写真】ひとり親世帯の支援と介護要員の育成、島根県浜田市が取り組む介護事業とは
子ども関連施設や自然に好反応
青木村は、NHK大河ドラマ「真田丸」の舞台でもある長野県上田市の西に隣接する農村地帯。人口4500人余で、北陸新幹線上田駅から路線バスで30分ほど。晴れの日が多く積雪も少なく豊かな自然に囲まれています。 移住対策では、首都圏に近い立地や各種の子育て支援策をアピール。「東京から2時間の“便利な田舎”」「信州・青木村で子育てしませんか」のキャッチフレーズでチラシの配布も開始。移住希望者への支援策として、村の規定による村営住宅への入居や、3歳以上児の保育園への即入園、児童センターの無料使用、高校生までの福祉医療費補助制度などを用意しています。
長野県と行ったモデル事業は、7月23日に東京・銀座5丁目の長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」でひとり親対象のセミナーを開催。都内や関東近県から母子、父子家庭の約20人の参加があり、青木村の紹介や「お試しツアー」の説明などを受けました。移住に伴う仕事や子育て、住まいなどについての個別相談には10人ほどが参加しました。
青木村を実際に訪れるお試しツアーは8月26日から2日間開催し、9組の親子が参加。北陸新幹線上田駅集合・解散で、村内の保育園、小・中学校の見学や人材を求めている企業などとの面接も行いました。県によると「子ども関連の施設や自然環境がとてもいいといった反応があった」。青木村に移住している住民や、行政の担当者とも懇談。企業との面接で移住に向け、双方が具体的な相談を進めているケースが一例出ているといいます。 青木村は村内外で紹介できる仕事の例として、村内と近隣にある介護関連施設、医療施設、製造業などのほかに、就職に向けた準備として近隣の介護福祉士養成校への入学の機会なども挙げています。