仏製ミラージュ2000戦闘機、来年初めにウクライナへ 爆撃能力強化に期待
ミラージュによって遠距離攻撃などのための航空戦力を増強できる
ウクライナはソ連が1991年に崩壊したときに、1970年代に量産が始まった双発複座の戦闘爆撃機であるSu-24をおよそ200機引き継いだ。それから三十数年後、第7戦術航空旅団で現役のSu-24はわずか十数機となっている。 Su-24はこの戦争で、当初は重力(無誘導)爆弾、のちに滑空爆弾や巡航ミサイルを搭載して戦闘任務に従事し、多くの損害も被ってきた。これまでに少なくとも18機が撃破されており、大半は長距離弾薬での攻撃に切り替える前の戦争初期の損失となっている。 ウクライナ空軍は戦争拡大時点で保有していた数以上のSu-24を失っていて、これはウクライナが、国内のさまざまな保管施設に眠っていた古いSu-24の機体を探し出し、飛行可能な状態に復元する努力を強い意思で粘り強く重ねてきたことを物語る。そのコックピットは、やはり引退していた年配のパイロットやナビゲーターが埋めることになった。 第7戦術航空旅団の旅団長イェウヘン・ブラツィク大佐は米放送局ボイス・オブ・アメリカによる最近のインタビューで、同旅団には2022年2月よりも「はるかに多くの」機体があると語っている。 ウクライナ空軍がSu-24も当面使い続けるつもりなのは明らかだ。ウクライナはこの戦闘爆撃機に搭載する弾薬の選択肢を増やすため、国産の滑空爆弾も開発している。 さらに今後、ミラージュ2000がまとまった数届けば、ウクライナ空軍は戦闘慣れした第7戦術航空旅団とともに戦う新たな旅団を編成し、ロシア軍の艦艇や防空システム、指揮・補給拠点などに遠距離攻撃を加えるための戦力を増すことができるだろう。 言うまでもなく、ミラージュ2000を運用するためには搭乗員と地上要員が必要になる。ルコルニュは「ウクライナ人パイロットや整備士の訓練が続けられている」と述べている。
David Axe