M4ファミリー搭載Macは新規や買い増しだけでなくM1/M2ユーザーの買い換えにもお勧め――使い比べて分かったこと
ポテンシャルがより高まったM4ファミリー搭載Mac 処理余力は心強い
性能面のレビューは別記事に譲るとして、最後に個人的な感想も交えつつ、まとめに入ろう。 M4チップ搭載の新しいiMacは、アプリの性能向上も明らかで、また先代(M3チップモデル)と比べると熱に関しては有利になっているように感じられた。 また、薄型設計なせいか、先代は意外と冷却ファンが動作する機会も多かったのだが、M4搭載モデルに関しては、多くの場合でファンの動作が気になることがなかった。その上、動画編集では、複数の4Kストリームを扱うようなシーンでも全く問題のないパフォーマンスを発揮してくれる。 M4チップは、M4ファミリーのベースグレードではある。しかし、M2ファミリーの上位モデルに匹敵するパフォーマンスを備えている。「エントリークラスの製品」といってスルーするのはもったいない。パーソナルなクリエイティブツールとして、十分なパフォーマンスを備えている。 おそらく今後、ベンチマークテストなどが進んでいくと「SSDの速度がMac miniやMacBook Proよりも遅い」との指摘が入るかもしれないが、これはストレージモジュールの“構成”に依存する。iMacではストレージモジュールが1基しか接続されていないのに対して、Mac miniやMacBook Proでは2基使われるため、より速度が出る。 しかしながら、アプリの動作テストにおいては、その違いが顕著に現れていないことも同時に報告しておきたい。 一方で、M4 Proチップを搭載するMac miniとMacBook Proに関しては、電力効率の高さはもちろん、サーマルスロットリングの起こりにくさも踏まえると、M3 Proチップを搭載するMacよりも負荷の高い使い方に向いている。メモリ帯域のテストでも大幅な向上を示しており、処理能力の余裕を感じさせる。 これだけ高性能だと、今回はテストを行っていないが14インチMacBook Proにおけるエントリー構成となる10コアM4チップモデル(24万8800円)も積極的に評価できそうだ。一方、従来は「Maxチップ」でないと力不足を感じていた用途で使っていた人は、今回については「Proチップ」も検討してみていいだろう。
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