ブランドを代表する35周年を迎えた名品番 ! ニューバランス「996」が積み上げてきた歴史と進化とは
オンロードランニング用に開発された900番台の3代目として1988年に誕生したニューバランス「996」。今年35周年を迎えた名器は、クラシックな顔ながら、履き心地も快適なロングセラーだ。今回はアニバーサリーイヤーを迎えた「996」の進化の歴史とニューバランスが「996」に託す思いを、本記事でもおなじみのスニーカーシーンのキーマンであるミタスニーカーズのクリエイティブディレクター国井栄之さんに伺った。
日本で初めて900番台として認知された「996」
“1000点満点中990点の仕上がり”という謳い文句とともに1982年に登場した、990番台の先駆けであるオンロードランニングモデル「990」。その後継モデルとして1986年に登場した「995」に続き、1988年に発売されたのが「996」だ。国井さんは「996」の思い出をこう語る。
「当時の最先端のテクノロジーである“ENCAP(エンキャップ)”と“C-CAP(シーキャップ)”の組み合わせをもとに、普遍的な完成されたデザインで登場し、愛好家が多い『996』。 今では『990』も“v6”までリリースされたバージョンモデルが登場し、そちらがもてはやされていますけど、『996』は90年代のアメカジブームに乗り、日本で初めて900番台として認知されたシューズというイメージがありますね」 「996」が登場するまでは、やはり「576」の認知度が高く、その次に支持を得ていたのが1000番台だったそう。
「日本人は、アウターでも何でも一番ハイエンドなものを求める傾向にあるので、『1300』に代表される1000番台が人気でした。その1000番台の次に人気が出たのが500番台だったのです。実は『576』と『996』が発売された年代が一緒で、『576』はボテっとしたフォルムでしたが『996』はSL-1といわれるラストを採用していて『576』よりもシュッとした細身のフォルムで、ユーザーの好みが分かれたんですよ。 『576』などの品番ではニューバランスでグレーなどの定番カラーが出た後に、海外のスポーツチェーンストアである『フットロッカー』で専売カラーが発売される事が多く、 『996』もそれに倣って、黒×金が発売され、スニーカーフリークの間で話題になっていました」 とにもかくにも、国井さんの中での「996」のイメージは、900番台で初めて日本に定着した品番だったようだ。