ブランドを代表する35周年を迎えた名品番 ! ニューバランス「996」が積み上げてきた歴史と進化とは
時代を鑑み、最適にチューニングされた「996」は進化を続ける
それまでのアメリカ製からアジア製の「CM996」が発売されたり、驚異的な軽さを誇るソールユニット「REVLITE(レブライト)」が搭載された「MRL996」が登場したりするなど、常に進化を遂げてきた「996」。 国井さんの中でも「996」は、アメリカ製よりアジア製の方に思い入れがあるようだ。
「アメリカ製の『996』も『ミタスニーカーズ』に入社してから買って履きました。当時、アジア製は廉価版といわれていましたが、自分の中で『REVLITE』を搭載した『996』を見たとき、これこそ逆にアジア製じゃないとできないことだと感じました。 ニューバランスがスポーツの分野で培ったテクノロジーを流用し、見た目はクラシックなままに履き心地はモダナイズしていく進化を見て、さらに『996』の魅力が増しましたね。そのとき、スポーツブランド、ニューバランスとしての矜持を感じることができて、改めて自分の中でアジア製の『996』を履く意義を見出せたと思います」
2023年で35周年を迎えた「996」。それを記念し、ニューバランスとグローバルパートナーシップを結んでいる“M.Lab(ミムラボ)”の職人がハンドメイドで手掛けた日本製の「M996JP」も登場している。 こちらも7万円台という価格帯にもかかわらず、事前抽選で即完売したとのこと。「996」はユーザーにとってもニューバランスにとっても特別な存在なのだ。
歴史あるアーカイブを大切に育て、進化させる姿勢に共感
2023年11月には東京・恵比寿の「ブルーノート・プレイス」にて、松浦弥太郎氏など豪華ゲストを呼び、「996」の35周年を記念するイベントが開催された。それほど「996」に対するニューバランスの思い入れは強い。国井さんは続ける。
「いつも感じることなのですが、ニューバランスはセレブレートの仕方が上品ですよね。周年で盛り上げすぎて、他の品番が疎かになることがない。
さっきも語ったとおり、『996』と『576』は発売年が一緒ですが、『576』も今年U.K.製でコラボモデルを出すなどしていますし、特定の品番に一極集中するのではなく、厳かにセレブレートしている感じがニューバランスっぽいなと感じました」