娘の笑顔曇らぬよう 豪雨犠牲の中山さん「四十九日」 輪島・町野の仮設団地でお別れの会
奥能登豪雨から50日目の9日、輪島市町野町の仮設住宅団地で豪雨の犠牲となった中山美紀さん(31)のお別れの会が営まれた。故人を弔う「四十九日」に合わせ、同じ団地に暮らす住民らが明るく朗らかだった美紀さんをしのび、静かに手を合わせた。父勇人(はやと)さん(62)は長女との突然の別れに「太陽のような娘の笑顔が曇らないよう、一生懸命、生きていく」と涙ながらに誓った。 【写真】遺影を抱えて生前の美紀さんを振り返る父勇人さん 雲一つない青空の下、団地内の集会所で営まれたお別れの会。勇人さんがあいさつで「娘の笑顔のような天気で(娘を)送ることができてうれしい。皆さん、娘の笑顔を忘れないでください」と声を詰まらせて訴えると、参列者の間からすすり泣く声が漏れた。 元日の能登半島地震で自宅が全壊し、一家6人で仮設住宅に入居した。団地の住民に笑顔とあいさつを欠かさなかった美紀さん。参列した住民は「いつも『こんにちは』と声を掛けてくれた。かわいらしい表情が忘れられん」と惜しんだ。 遺影は高2の冬休みに撮影されたもので、勇人さんは「あの時から変わっていない。おかえり」とささやき、そっと遺影に触れた。 美紀さんは9月21日の豪雨で安否不明となり、10月24日に能登町鈴ケ嶺の久田川で遺体が見つかった。車で帰宅中に久田川が氾濫して流されたとみられる。