求人で「手取り35万円」だったけど、実際は「手取り17万円」だった! これって違法じゃないの? 求人票で注意すべきポイントを解説
入社した会社の労働条件が、求人票に記載してあったものと違っていたという事例は、決して珍しくありません。とくに、実際にもらえる給料の金額が、求人票に記載されていた額より大幅に減らされていた場合は、ショックも大きいでしょう。 本記事では、求人広告に記載されていた給与と実際の給与が異なる場合の違法性について解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
嘘の求人広告の掲載は明らかな法律違反
結論から述べると、求人広告に嘘の情報を記載するのは違法行為です。 職業安定法第65条において、虚偽の求人広告や虚偽の条件を提示して職業紹介、労働者の募集を行ってはならないと定められており、違反した場合は6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金を科せられます。また、労働基準法第15条にも労働条件の明示が定められています。 ただし、この労働基準法第15条における労働条件の明示とは、契約書に記載される労働条件を指しており、求人票に記載してある労働条件は該当しません。悪意を持って嘘の条件を記載したという証明も困難なため、実際に企業側が罰則を受けるケースは少ないのが現状です。
入社後に労働条件に嘘があったと発覚した場合の対応
入社後に求人票に記載されていた労働条件と、実際の労働条件に相違があると気づいた場合、まずは会社側に申し出てください。それでも労働条件が変わらないときは、退職の検討をしましょう。 本来退職の流れは会社ごとに就業規則で決められていますが、嘘の労働条件に騙されていたケースでは、こちらから契約を解除することが可能です。もし会社が一方的に引き止めてきた場合は、労働基準署や弁護士に相談してください。
嘘の情報を記載されやすい労働条件
給与は嘘の情報が記載されやすい労働条件のひとつですが、以下の労働条件も誤った情報が求人票に記載されるケースが多いです。 ■残業時間 求人票に1ヶ月あたりの残業時間の目安を記載する企業は多いですが、目安であるのをいいことに、嘘の情報を記載しているケースは決して珍しくありません。企業によってはサービス残業が横行している場合もあり、給与にも大きな影響を与えます。 ■休日日数 休日日数も、偽りの情報が求人票に記載されている可能性が高い労働条件のひとつです。有名な手口として、休日日数に有給休暇を含んだ情報を求人票に記載するというものがあります。 ちなみに、休日出勤によって休日日数が減ってしまう場合もありますが、こちらは企業が36協定を労使間で締結し労働基準監督署に届け出ていれば合法です。 ■雇用形態 雇用形態も、嘘の情報が書かれやすいため注意しましょう。代表的なものとして、採用後に正社員ではなくアルバイトや契約社員として働かされるケースが挙げられます。