BMWの2025フラッグシップネイキッドがEICMAで公開【ユーロ5+対応/電子制御デバイス熟成】
BMWモトラッドは、並列4気筒エンジンを搭載するスーパースポーツモデル『S1000RR』と『M1000RR』をアップデートし、2025年モデルとして発表した。国内導入時期や車両価格は未定だ。 【画像】BMWの2025フラッグシップネイキッドがEICMAで公開(×16枚)
BMW S1000RRのおもなスペックとアップデート
S1000RRは並列4気筒エンジンを搭載するスーパースポーツで、BMWがWSBK参戦を視野に入れて開発して2009年に発表、翌年に市販された。以降、アップデートを重ねて2019年のフルモデルチェンジで現行となり、このたび発表された2025年式で熟成度を高めた。おもなアップデート内容は下記のとおりだ。 ・ユーロ5+に対応 ・プロライディングモードを標準装備 ・Mショートストロークスロットル採用 ・ウイングレット改良 ・サイドフェアリング改良 ・フロントフェンダー改良 ユーロ5+は新たに導入される排ガス基準で、ヨーロッパでは2025年1月から販売される新車に適用される。排出ガスの規制値に変更はないが、キャタライザー(触媒)が走行距離や経年による劣化を監視する機能が必須となる。 これに伴い、キャタライザーの耐久テストのほか、ODB(車両故障診断装置)とラムダセンサー(O2センサー:理論空燃比が1(λ=ラムダ)になるよう、排ガス中の酸素濃度を検知する装置)がこれに対応する必要がある。なお、ユーロ5+対応による最高出力、最大トルクの数値に変更はない。 プロライディングモードは、日本仕様はすでに標準装備だが、欧州仕様ではこれまでオプションだった。この機能はロード、レイン、ダイナミック、レースのほかにサーキット用トルク特性とスロットルレスポンス、エンジンブレーキ、ABS、トラクションコントロールなどの電子制御デバイス群を個別に微調整することを可能としている。また、3種のプリセットを登録することができる。 Mショートストロークスロットルは、新型M1000RRにも採用されたもので、スロットルの全閉から全開までの角度が従来の72度から58度へ変更し、加速時の手首の動きを最小限に抑えることができるようになった。いわゆるハイスロ化だ。これによって、全開にするためにスロットルを持ち替えたり、手首を大きくひねる必要がなくなる。 改良されたウイングレットにより、300km/hでのダウンフォースは従来の17.1kgから23.1kgへ増加した。直進時だけでなくコーナリングにおける前輪の安定性が増し、コーナリング速度向上に貢献する。同時にウィリー抑制効果も高まっている。 サイドフェアリングの形状も改良され、エンジンの放熱効果を高めている。右側サイドフェアリングは初期型で採用されていた、サメのえらをモチーフとするシャークフェアリングとなった。 さらに、フロントフェンダーは大型化され、ブレーキキャリパー冷却ダクトを備えた。これによって高速域からの制動で発生するブレーキの熱を効率的に冷やすことができ、安定した制動性とコントロール性をもたらす。これら外装パーツの新たなデザインは、走行性能向上だけでなく、S1000RRのレーシングムードを高めるアイコンにもなっている。 車体色は、ベースモデルとしてブラックストームメタリック(黒)、スポーツモデルとしてブルーストーンメタリック(銀)、Mパッケージ用となるライトホワイトユニ×Mモータースポーツ(白)が用意される。 【BMW Motorrad S1000RR】主要諸元■全長2073 全幅848 全高─ 軸距1456 シート高832(各mm) 車重198kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 999cc 210ps/13750rpm 11.5kg-m/11000rpm 変速機6段 燃料タンク容量16.5L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●色:黒、銀、白●価格:未定 ●国内発売日:未定 ※主要諸元は欧州仕様