映画やアニメにも登場の広島「福本渡船」、25年春に廃業へ 「施設の老朽化」で135年の歴史に幕
広島県の尾道─向島間を航行する「福本渡船」が、2025年3月31日をもって渡船事業を廃止することが分かった。運営会社の福本フェリー(広島県尾道市)が24年10月1日、J-CASTニュースの取材に明らかにした。 【画像】福本渡船の乗り場を見る ■「残る半年、全力で安全運航に努めてまいります」 福本渡船は瀬戸内海の「尾道水道」を縦断し、尾道土堂と向島小歌島を結ぶフェリーだ。かつての渡船賃に由来した「1円ぽっぽ」の愛称を持つほか、大林宣彦監督の映画「さびしんぼう」をはじめ、テレビ朝日系アニメ「かみちゅ!」やセガのゲーム「龍が如く6 命の詩。」の聖地としても知られる。 福本渡船について福本フェリーは9月30日付けの張り紙で「渡船事業廃止のお知らせ」を掲示し、目撃者によってXでも写真が拡散された。下記のような文章が記されている。 「弊社渡船(向島~尾道)は、施設の老朽化に伴い、令和7年3月31日をもって渡船事業を廃止致します。135年余の長きにわたりご利用いただきました皆様方に深く感謝申し上げます。残る半年、全力で安全運航に努めてまいりますので、宜しくお願い致します」 発表を受けてXでは、「まさに尾道といった趣が好きだったのでとても残念...」「福本渡船さんには何度もお世話になりました 135年ってすごいなぁ」「学生の頃は毎日お世話になったし、無くなるのは寂しいね...」「地元の方の足なので衝撃は大きいでしょうね」と惜しむ声が広がっている。 福本フェリーは10月1日、J-CASTニュースの取材に対して、渡船事業を廃止することは事実で、実際に先のような張り紙で知らせていると答えた。