ウクライナ軍、ロシアの石油貯蔵施設を攻撃 大規模火災が発生
(CNN) ウクライナ軍は8日、ロシア西部サラトフ州のエンゲリス空軍基地向けの石油を貯蔵する施設をドローン(無人機)で攻撃したと発表した。大規模な火災が発生し、同州のブサルギン知事は消火活動を行っていた消防士2人が死亡したと明らかにした。 【画像】ロシアの無人機を撃墜するために放たれた曳光弾 ウクライナ関係者によると、石油貯蔵施設は国境から約640キロメートル離れており、同空軍基地には戦略爆撃機が駐機している。 CNNがエンゲリスで撮影されたことを確認した写真には、大きな炎が夜空を焦がし、石油貯蔵施設から噴煙が上がる様子が写っている。 ウクライナ軍は、石油貯蔵施設の破壊によりロシア空軍は爆撃機の燃料の確保が難しくなり、ウクライナを攻撃する能力が著しく低下するとの見方を示した。 間もなく3年になるロシアとウクライナの戦争では、長距離ドローンによる攻撃が重要な役割を果たしてきた。地上での戦闘がますます消耗戦となる中で、ウクライナは空からの攻撃を増やしている。ロシア軍の兵站(へいたん)を混乱させ、武器の備蓄や石油施設を破壊することを狙っており、こうした攻撃はかなり成功している。 ブサルギン知事は、7日夜から8日未明にかけてサラトフ市とエンゲリス市が「大規模」なドローン攻撃を受け、工業用地で損害が発生したことを確認した。 ロシア国防省は、サラトフ州やクルスク州などの上空で計23機のドローンを迎撃したことを明らかにした。ウクライナは昨夏、クルスク州に越境攻撃を仕掛け、その後ロシア軍の反撃に遭っていたが、最近再び攻勢をかけている。 ウクライナのゼレンスキー大統領のアドバイザーを務めるオレクサンドル・カミシン氏によると、攻撃に使われた長距離ドローンは国産だという。