日経平均7月高値は「近くて遠い年初来高値」かもしれない
足元の日経平均株価は、7月3日に記録した終値ベースの年初来高値3万3753円に接近している。だが、この高値が「近くて遠い年初来高値」となるかもしれない(撮影:尾形文繁)
11月第3週(13~17日)の日経平均株価は今年最大の上昇幅(15日、前日比823円高)を交えて、週間で1017円(3.12%)高となった。3週連続で上昇しており、この3週合計で2593円(8.3%)高。4月第2週から6月第2週にかけて10週連続高した春の急騰相場以来の3週連続高となった。 アメリカの10月の消費者物価指数は前年同月比の伸びが鈍化。ジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長のタカ派スタンスを受けて、年内の利上げ観測が後退。それによって、同国の長期金利が低下と、振り子が市場の期待どおりの方向に触れ、米国株の上昇に弾みがついた。その流れに誘われ、日本株も一段高へと駆け上がったことになる。 17日の日経平均は3万3585円と、今年7月3日に記録した年初来高値(終値ベース)、いや「バブル崩壊以来33年ぶり」となる高値、3万3753円以来の水準である。その距離、168円強。200円足らずの値幅なら、ほんの1日の相場で軽く超えられるものである。 ましてや、相場には「勢い」というものがある。ここまできたら、今週早々にも「日本株、33年ぶり高値」といった見出しがメディア報道で踊ることになる可能性がきっとあるだろう。確かにそうなる可能性を念頭に置きつつも、ひょっとすると“近くて遠い”高値更新となるかもしれないと思っているので、その根拠についていくつか挙げてみよう。
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岩本 秀雄